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『あの、社長…
聞きたいことがあるのですが…』
「なんだい?」
『私は春樹にあの公園でパフォーマンスを続ければ、
小鳥遊さんが声をかけてくれると教えてくれました。
…春樹とは知り合いではなかったのでしょうか?』
「…いや、僕はただ以前手紙が届いてね。
そこに逸材が現れる、
定期的に様子を見に行ってほしいと手紙が届いたんだ。」
まさかそれが桜春樹なんて、とびっくりしている。
私が一番驚いているよ。
「Aさんも、一緒に記者会見やりますか?」
突然六弥さんが突拍子もないことを言い始めた。
『今の私が音楽について話したところで、
信憑性は0に近いですよ。』
「Oh、そんなことありません。
以前Re:valeと3人で曲を作っていたじゃないですか。
あの時、最初にメロディーを考えたのはAさんです。」
『でも、今はもう私のことを応援してくれる人はほとんどいないの。
今更何か言っても、誰にも響かない』
「でも…」
『私のことは気にしないで、アイナナちゃんのこと全力で守ってよ。』
それじゃあ、と部屋を出ようとすると、
紡ちゃんが私のことを呼び止めた。
「わ、私、Aさんの作った曲も、
歌も全部、好きです。
ここにもファンがいること、忘れないでください!」
その言葉に私は何も返すことができなかった。
彼女の顔も、見ることができなかった。
そんな勇気、今の私にはない。
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ReePhantom(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございますー!採用です!これからもよろしくお願いいたします( ˙ᵕ˙ ) (12月23日 0時) (レス) id: 66b1ea99d0 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 芸能界という、決してきらびやかなだけではない場所で、それでもいちアーティストとして咲き誇ろうとする主人公ちゃんにはぴったりだと思います!!是非、ご検討よろしくお願いします! (12月19日 18時) (レス) id: 8f46fba205 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - いつも楽しく拝読させていただいております!"お願い"の件なのですが、ウ.ォ.ル.ピ.ス.カ.ー.タ.ーさんの「泥中に咲く」はいかがでしょうか?→ (12月19日 18時) (レス) id: 8f46fba205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ReePhantom | 作成日時:2023年12月17日 1時