未完成のPiece6【アイナナ】

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「≪滞在期間と目的は？≫」

『≪2週間、イギリスで行われるヴァイオリンのコンクールに招待されました。≫』

「≪このヴァイオリンは一体どこで手に入れた？≫」

『≪昔の知人から頂いたものです≫』

「≪その知人の詳細は？≫」

『≪私は日本でアイドルをしているAという者です。
今は活動休止していますが、
公式でもストラディバリウスを所有していることは話しているので、
どうぞお好きに調べてください。≫』


と、いうことで着陸してすぐに入国審査に引っ掛かりました。
まぁ、確かにこんな子供が高級なヴァイオリン持ってたら怪しいよね。
わかるよ。でも、万さんの前で話すのは嫌なんだよね。
多分万さんは言葉わかってないけど。

「大丈夫そう…？入国できるの？」

『このヴァイオリン持ってることが引っ掛かったみたい。
でも、私のこと教えたから多分大丈夫だよ』

「≪大変失礼しました。
入国を許可いたします。良い日を≫」

『≪ありがとう≫』

そう笑顔で返すが、
心の中ではあかんべーって気持ちだ。

『入国して大丈夫だって。
早くしないと置いていくよ−』

「あ、ちょっと待ってよ」

ぽかん、としている万さんを片目に先へ進む
…というか私一人でもイギリス来るの良かったんじゃない？

いや、考えるのはやめておこう。

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