未完成のPiece3【アイナナ】 (ページ45)

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『では、丁重にお断りさせていただきますね。』

「そんな小さい事務所にいたって何も変わらないよ、
僕がプロデュースしてあげるさ。そしてゼロを超えるんだ」

そこで何かがプツン、と切れた

『ゼロぜロうるさいので黙っていただけますか？
私は私であってゼロとは別の存在です。

貴方が私をプロデュース…？
笑わせないでください。
私には貴方よりも素晴らしいバックが付いているので。

それに、私は別にゼロを超えたいなんて思っていません。
私は友人に…春樹に会えればそれでいいんです。
貴方には関係ないので引っ込んでおいてもらってもいいですか？』

春樹、という名前に反応したのを私は見逃さなかった
あ、春樹もゼロにかかわったいたんだっけ…？
この人、もしかして春樹と関係あったかも、
そう思った時にはもう遅かった

「ふふ、そうかい。君は春樹を知っているのか。
まぁいいさ。僕についてこなかったこと、
後悔すればいいさ」

そう捨て台詞をはいて消えたその男の背中は少し寂しそうだった

『あ、もう時間ないや…。早く撮影に行かないと』

独り言をつぶやきながらテレビ局を走る
あ、よい子は走っちゃだめだよ！