未完成のPiece3【アイナナ】 (ページ28)

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『…ありがとうございました』

2人の観客にお辞儀をする

「お前、やっぱりアイドルなんだな…」

「うわぁ…、やっぱりすげぇ！」

『あはは、ありがとう。
ほら、なんか買ってきたんでしょ？早く中入ろ』

寮に戻り、これからお兄様以外でパーティをするらしい
今度こそバイバイをして別れ、3階に向かおうとするが
やっぱり気になる…。

お兄様、ちゃんと寝てるかな…

いつもはそんなに気にかけないのに、
倒れているお兄様がフラッシュバックする

今日だけ、反抗期辞めます。
そう心で宣言をしてお兄様の部屋をノックした

はい、と声がしたのでやっぱり起きている…。
過労なんだから早く寝てよ、と思いつつお邪魔することにした

「A…？」

訪問者が私なことにびっくりしているお兄様
完全に顔に出ている

『なにしてるの、横にならないと』

「うん、ごめんね。…心配してきてくれたの？」

『別に、気になっただけ』

「そっか」

この無言の時間でさえ、お兄様と一緒なら何もつらくなかった
この空気を破ったのはお兄様だった

「少しだけ、話してもいい？」

『少しだけね』

「うん」