未完成のPiece3【アイナナ】 (ページ26)

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「だって叔父は幸せだった。素敵な人生を送っていた。
僕は大声でそれを言いたくて、この世界に飛び込んだんだ」

あぁ、そっか。
やっぱり私たちはおんなじなんだね。
一緒にあんなに憎い父親を血を引いたけど、
結局は音楽を追いかけてしまうんだ。

「そっか。あんた、やっと自分のこと話してくれた。」

「辛気臭い話だから聞きたくないかと思って」

「No,そんなことありません。
叔父さんもソウゴも間違ってません。
ミュージック、ダンスは人を幸せにする魔法です。
叔父さんの気持ち、ソウゴ引き継いでいます」

「ありがとう、でも僕がここに居続けたら迷惑がかかる。
FSCにはグループ会社がいくつもあって、
CMの数だけ父の影響を受ける番組があるんだ。
それなら、僕はここを去った方が…」

『はーい』

完全にアウェイな空気の中授業中のように手を挙げる

『それなら話は簡単。まずはFSC子会社以外からたくさんオファーを受けるんだよ。
そこで人気が出ればFSCなんて何も怖くない。
金しか見ていないあの堅物だから、
そのうち会社なんて気にならなくなるよ』

「そう簡単に言うけどな…」

『大丈夫、君たちならできるよ。
私、明日早いから寝るねー、おやすみ』

そういって部屋を後にした。
お兄様の話は私のことを除いて話してくれていたけど、
本心が聞けて良かった、なんて