未完成のPiece3【アイナナ】 (ページ23)

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『どうして、倒れたの？心当たりある？』

「僕達の冠番組の話があったんだ。
でも、本番前に白紙になったんだ。
その原因が、父さんだったんだ」

そう話すお兄様の手は震えていた。
あぁ、お兄様もあの家が嫌いだったんだ。

『ねぇ、どうして家をでてきたの？』

「テレビを見てた時、
僕が見た事ないくらいキラキラして笑ってるAがいたんだ。
僕も、同じ世界を見てみたいと思った。
あそこにいても今と変わらない、スカウトを貰った時に確信したんだ。」

私が黙って聞いていると、お兄様がまた口を開いた

「みんなが来たら父さんのことをみんなに話す。
Aのことは…どうしたらいい？」

私のこと、優しいお兄様のことだから隠そうとしてくれているのか
その反面、ここまで隠してきたからには自分のタイミングで話したいという気持ちもあった

『私のことは、話さないでほしい…です』

「わかった。その時が来たら話してくれる？」

『はい、必ず』

春樹との約束が叶うまでは、
私のわがままに付き合ってください

丁度のタイミングで下からドタバタと音が聞こえた。
アイナナちゃんたちが到着したのだろう

扉が開かれると、みんなが目を見開いていた
まるで、あのAが壮五さんを本当に助けた、みたいな顔をしていた。

いや、さすがにあんなに謙遜してても、
目の前に人が倒れていたら介抱するわ…失礼だな…。