未完成のPiece3【アイナナ】 (ページ14)

今日:18 hit、昨日:21 hit、合計:21,310 hit

111 ページ14

来て欲しくない時間というのは案外早く訪れるもので、
その後の仕事は半分頭に入ってこなかった

今現在寮の前にいるのだけど入るのを躊躇ってしまう。

勇気を出して扉を開けると、
お兄様と一織がお出迎え。なかなか見ないコンビだ。

「おかえり」

「おかえりなさい」

『ただいま、逢坂さん、一織』

「早速ですがお話があるので私の部屋に来ていただけますか」

『はいはい、荷物置いたら行くからちょっと待っててー』

1度部屋に入り荷物を置いて手を洗う、
家に帰ってきたというのにここまで憂鬱な時間は無い。

一織の部屋のドアをノックし、返事を聞いてから扉を開ける

『おじゃま、します』

「どうぞ」

黒で統一されたシンプルな部屋で、
同年代の男の子ってこんな感じなのか、と少し関心する

『お話ってなに？』

「単刀直入に聞きます。
あなた逢坂さんと血縁関係はありますか？」

単刀直入すぎる質問だ…。
どうする？隠す？
でも、一織が聞いてくるってことは確信があるってことか…？

『…理由は？』

「まずは容姿です。私と兄さんは異なりますがあなた達2人は髪と瞳、それに頭の上の双葉が同じです。
それと、あなたたちの立ち振る舞い的に推測すると、
おそらくいい所の出だと思います。
言葉使いや仕草とかですかね。
それに時々常人が考えない行動を取りますね。
そして2人の態度です。
何があったのかわかりませんが、
ぎこちなさ過ぎて違和感を感じます。

昔あなた兄がいると言っていましたが、
それは逢坂さんなのでは？と感じました」