未完成のPiece3【アイナナ】 (ページ12)

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「TRIGGERの新曲、聞いたんだ」

『帰り道で流れていたので』

「そっか、実はあの曲は僕たちのデビュー曲になるはずだったんだ。
Aは僕たちの作曲者を知っているの？」

春樹のことを話していいのだろうか、
そんな疑問が浮かんだ
別に隠し通さなければいけないことでもない
でも、なんとなくお兄様に知られることを恐れ、
また隠すことにした。

『昔の、友人とでも言っておきましょうか。
なんとなくその友人の作る曲と似ている気がしたので。
逢坂さんこそ作曲者をご存知で？』

「知らないよ。前、社長に聞いたけど企業秘密って言われちゃっから…。」

春樹のこと、知らないのか…
知っていたらどこにいるのか問い詰められたのに、
また春樹から遠のいた気がする…

『じゃあ、おやすみなさい』

「うん、おやすみ、」

最後におやすみを言って3階に上がる、予定だった

『あまり溜め込まないで。昔からの悪い癖だよ』

「えっ？」

『…引き止めてすみません、おやすみなさい』

あんな苦しそうな顔を見て放っておく事なんて
出来るわけないじゃん。

あのまま溜め込んで倒れないといいんだけど…

MEZZO"としてデビューしてから少しずつ痩せているきがする。
そりゃ環とペアなんて精神狂いそうだよ。

でも、お兄様は優しいから何でも溜め込んじゃうんだよね