未完成のPiece3【アイナナ】 (ページ2)

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今日もいつも通り朝日が昇る前に起き、
便箋を探して番組のために出ていく

いつも通りのはずだった

「Aさん、おはようございます」

『あ、三月さん。朝早いですね』

「いつもはもう少し遅いんですけど、物音がして目が覚めたって感じです」

その物音はきっと私だろう

『起こしちゃってすみません』

「大丈夫です！あ、ご飯食べました？」

『まだですけど…』

「5分くらい時間があればおにぎり作りますよ」

『５分くらいなら…』

と、言うことでアイナナちゃんのリビングにお邪魔しました。
以前三月さんの料理を食べた際、
すごく暖かくて、美味しかった記憶がある

それにこの人一織のお兄さんなんだよな…
ちっちゃいけどしっかりしてて、
お母さん的存在なのかな

ぼけー、と考え事をしながら三月さんを見ていると
優しく微笑んでマグカップを差し出した

「朝の顔なんだからもっとシャキッとしないと。
コーンスープでも飲んで顔色、直してくださいね。」

可愛い顔が台無し、なんて照れながら話す三月さん

『あ、クルトンだ』

個人的にコーンスープにはクルトンが欲しい派である。
というかおにぎり作りながらコーンスープって、
手際良すぎない？1家に1台三月さんほしいよね。

『三月さん、』

コーンスープを飲みながら三月さんに話しかける

「ん？なんですか？」

『前から思ってたけど、敬語じゃなくていいですよ』

「それは無理無理！恐れ多いっす…」

『弟の同級生だと思ってふつーに接してください』

「んー、努力する…
あ、はい。簡単で申し訳ないけど、これ持って行って。」

そう渡されたおにぎりと小さいタッパー。

「Aさんって少食だろ？このくらいかなーって思って」

『ふふ、丁度いい。ありがとうございます』

「時々で良ければ作らせてくれよ、行ってらっしゃい」

『…はい、いってきます』

この家に住んで5年ちょい、
こんなに暖かい朝は久しぶりだった。
…やっぱりお母さんポジションかも、三月さん