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はっきりと覚えていない子がいてもおかしくはないけれど、同じ保育園だったと言われてもまったくピンとこないのはどうなのか...。
「バスコ、ずっと前から花江さんのこと知ってたのか？！」
こんな特徴的な話し方の子なんていなかった。
「私より先に出会ったからって、一緒にいた時間は私の方がずっと長いんだからねっ！」
...いや、話し方が似てる子はいたけど、あの子はもっと細かった。
「そうだそうだ！俺たちは同じクラスだからお前よりもずっと仲良いからな！」
あの子は動物が好きで、よく一緒に保育園で飼ってたわんちゃんのお世話をしてたっけ。
「いいんだ、忘れられてるのは気づいていたから...こうしてまた友達になれて俺は幸せだ...」
お前と友達になれて俺は幸せだなって、少し大袈裟な子だった。
「....晃司くん？」
懐かしい名前を呼ぶと、バスコくんの顔がパッと明るくなった。
「っ、あぁ、そうだ！！....思い出してくれたのか！」
「えっ、本当にあの晃司くんなの？！」
バスコくんの反応からして、本当にあの晃司くんらしい。
気付いたらそばにいる子で、どこかほっとけなくて、弟みたいだった、あの晃司くん。
すぐには信じられなかったけど、言われてみれば確かに面影がある。
素直でまっすぐなところなんて、本当にそのままだ。
バスコくんの本名を忘れてたといえ、どうして気づかなかったのか不思議なくらいあの頃のままのバスコくん。
つい、あの頃と同じように頭を撫でようと手を伸ばした。
その時、
「バスコー！！風でヒーローマンが飛ばされちまった！！」
北原くんの声。
視線の先には川に吸い込まれるヒーローマンフィギュア、の箱。
悪戯阻止するの、忘れてたな。
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作者名：aimani | 作成日時：2023年2月19日 22時
