きゅうううう ページ10
最初のあれやこれはあったものの、授業内容は普通......というか、結構高レベルなものだった。教科書にピッタリ沿ったお堅い授業なんかじゃなくて、実用的な文法や発音などを分かりやすく説明していて、人は見た目に寄らないなと改めて思う。
「___つまり、その国の言葉を手っ取り早く覚える為には恋人を作れってことね。私が昔ある国の大統領に近づいた時は___」
ちょっぴり大人なエピソードを交えながらも生々し過ぎない程度にぼかしている。裏社会では名のある暗殺者だったにしては、今はちゃんと“先生”なんだなぁ。なんて、変なところで感心しつつ話を聞いていると授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
イリーナ先生が教室を後にした瞬間、先程までは控えめだった視線がまた私に集中する。
「......あー、説明は後で纏めてするけど、軽い質問だったら受け付けるよ?」
と、その言葉を皮切りに次々と席の周りに子供たちが集まってきた。わぁお、勢い......!
「ねーねー、咲良さんも探偵ってホントに!?未成年なのになれるもんなの!?」
「HRの時、凄かった!!なんかぶわぁってなってなかった?殺せんせーめちゃくちゃビビってたもん!」
「ヨコハマに会社があるってマジ?マフィアの本拠地があるんだろ?超危険じゃねぇ??」
若さ特有のテンションで詰め寄られて思わずタジタジになってしまった。しかし先程の事があったにも関わらず普通に声を掛けてくる辺り、肝が据わっているなと感心した。
「んーと、探偵っていうのはホントだよ。年齢に関しては......あー、放課後ちゃんと説明するから待ってて。
それから褒めてくれてありがとう、でもアレは異能力の不意打ちだったからねぇ。もう警戒されてるだろうし、次仕掛けても失敗するだろうなぁ。
最後の質問についてはまあ、ヨコハマは魔都って言われるくらいだし、危険っちゃ危険だけどね。これでも武装探偵社の一員だから平気だよ。心配ありがとう少年。」
ひとつひとつにそうやって答えると、何故かぽかんとした表情で見つめられた。
「......いや聖徳太子かよ。」
チャラ少年の一言に、席を取り囲んでいた彼らが大きく頷いた。また質問が飛びかけた所で、身長の高い灰色髪少女が時計を見て声を上げる。
「あーほらほら、次は体育だからそろそろ移動した方がいいんじゃない?質問はまた放課後でも出来るんだし。」
おお、なんだかイケメンオーラが溢れ出てるぞ。
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いろどり(プロフ) - 実和さん» 返信遅くなり申し訳ありません!ええ!そんな、凄く嬉しいです、待ってくださる方がいる事がモチベーションに繋がります! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - ゑごまさん» 返信遅くなり申し訳ありません!不定期更新ですが、気長にお付き合いいただけると嬉しいです! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - ヴァンパイアさん» 返信遅くなりまして申し訳ありません!ありがとうございます、嬉しいお言葉が身に染みます! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - 河川革皮さん» 返信かなり遅れてしまって申し訳ありません!初めてのコメントとてつもなく嬉しかったです、ありがとうございます!頑張ります (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
実和(プロフ) - ワワワ、めちゃめちゃ楽しみに更新待ってたので通知来た瞬間飛んできました…!!!!!無理なさらない程度に更新頑張って下さい! (2021年1月14日 23時) (レス) id: 723f2dc3da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いろどり | 作成日時:2020年3月13日 15時