今宵、月夜に君は輝く。Ⅱ (ページ25)

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何本かの空いた缶が机に並んで、大倉さんはだいぶ出来上がってきた

私はまだ2本目を飲み始めたぐらいだけど大倉さんはもう5本目を開けてる

あの大倉さんの体験談であろう煙草の話で結構体力削られたのかもしれない。

思い出したくないことを思い出させてまった

「あーー…もうなんか、ねむたくなってきた」

『もう、やめといた方がいいんじゃないですか？』

「いや、まだのめる」

ほっぺがほんのり赤くなって、目は少しうるうるして、呂律は回らなくなってで、

女の子なら確実にお持ち帰りされる酔い方をしてる……

「…ちょっとニコチン摂取してくる」

重い腰をあげベランダに行こうとフラフラな大倉さんが心配になる

『大倉さん、大丈夫ですか？』

「ふはっ、かわええなあ」

ポケットから煙草を取り出す手を止めてまでそう言い、意味深に微笑んだ。

私の心臓はバックバック

大倉さんと目が合う。
お酒のせいでゆらゆら瞳が揺れてる

そんなことを考えてると、大倉さんがグッと顔を近づけてきた

『ち、ちかくないですか？？』

「そお？」
そう言って、持っていたライターと煙草を机に置いた
音がやけに響いた。

おもむろに大倉さんに抱きしめられて、大倉さんの匂いで包まれる。

動けずにいると、徐々にスローモーションのようにゆっくり大倉さんの顔が近づいてくるように見えてそして、

…唇が触れた。

『…?!』

脳の理解が追いつくまで数秒あったと思う。
大倉さんの肩を軽く押して、顔を背けるまでの数秒間確実に大倉さんとキスしていた…

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