今宵、月夜に君は輝く。Ⅱ (ページ18)

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「別れを告げた後、その友達と飲んでん。
そりゃ、すごい荒れ具合やったんやで。
めちゃくちゃ自分のこと責めてたわ。俺は、あの子のこと傷つけてもうた。とか、俺は最低や。とかすんごかったんやで？

そして、僕の友達も奇遇でな？
その子にお祭りで会ったらしいねん。別れる原因となった婚約者さんと一緒にいる時に。

お祭りで会ったあとも、呼び出されてん｡＂1人じゃ気狂うから一緒に飲んでくれ＂って。
それで一緒に飲んだんやけどその時もめちゃくちゃ荒れてたわ。

＂俺だって、婚約して新しい相手いるのに、あの子に新しい彼氏いるんめちゃくちゃ嫌やったわ。

お幸せにって言われたわ。指輪多分気づかれてもうた。あの子きっと俺のこと最低なやつやって思ったやろーな。

あの子たぶん泣くの我慢してた。ずっと一緒にいたからわかんねん…。抱きしめて一緒に逃げ出しかった。
でも、出来ひんかったわ、、。＂って、、

俺、1文字も間違えてない自信あるで?
そんぐらい、印象残ってん。
あいつがあんな表情してんの見るの初めてだった。」

喋り終えた後、丸ちゃんさんが悲しそうに茶色の瞳で私を見つめた

「ごめん、、泣かせるつもりは、、」

言われて気づいた。頬を触ると、濡れていて

丸ちゃんさんが話していた、友達はきっと。

『その話を私にして、私にどうしてほしいんですか･･･?』

もう彼は婚約してるって言うのに。

今更、こんな話。残酷だ。

「ただ、
ちゃんと好きやったんやで？君だけじゃないんやで？ってことを伝えたかっただけ」

章大くんもちゃんと私を好きでいてくれたって事実が嬉しくて涙が止まらなくなる

『わたし、、何も知りませんでした、、
お父さんのことも、、1人で悩んでたことも、、

･･･一緒にいたのに、、』

私は一体なにを知っていたんだろう

好きな食べ物、ブランド、吸ってる煙草の銘柄だって答えられる。
けど、肝心なことはなに1つ知らなかった