今宵、月夜に君は輝く。Ⅱ (ページ14)

今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:146,458 hit

54 ページ14

・

あの修羅場から1週間ぐらい経った日

久しぶりに帰りにエレベーターで大倉さんと一緒になった。

『なんか、久しぶりですね』

あの修羅場の日、以来大倉さんに会わなかった

「確かにせやな〜
俺、めちゃくちゃ忙しかってん。だからかも」

『お疲れ様です』

「ははっ、ありがとう。」

少し疲れてる表情。いつもの笑い声の豪快さがない

エレベーターがとまって、相変わらずレディーファーストで私から下ろしてくれる

前、揉めてたのはどうなったんだろう
ふと気になったけど、聞き出す勇気と図々しさは持ち合わせてない。

「あ、せや。
花火の時、会った＂丸＂ってやつ覚えてる？」

祭りの時って言わないのは、大倉さんなりの優しさ

少しでも思い出さないように。

『覚えてますよ』

「そいつがAちゃんの連絡先欲しいって言うてたんやけど･･･」

『全然、大丈夫ですよ！』

「じゃあ、後で送っとくわ」

じゃあ。と長い右腕を上にあげて手をひらひら～と振ってから自分の部屋に入っていった

･･･かっこいい