今宵、月夜に君は輝く。Ⅱ (ページ12)

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無性にオムライスが食べたくなって作ろうと冷蔵庫を開けると卵を切らしてたから、
コンビニまで買いに行くことにした。

まだ、あの女の人は誰かを待ってた

・

卵の入ったレジ袋片手にマンションまで歩いてるとまだ女の人がいた

でも、1人じゃなかった。

長身の男の人がその場にいた。

もしかして、大倉さん??

少しだけ近づくと間違いなく大倉さんだと確信になった
大倉さんとあの女の人が何か揉めてるみたいだった

マンションに入るには
その2人の横を通らないと行けなくて、
あの険悪な雰囲気の横を通るなんて私には絶対無理だ。

諦めて2人のやり取りが終わるまで陰に隠れ、待つことにした

「ごめん、帰って」

「私はまだ納得してないから。」

「納得もなにも、もう俺ら別れたから関係ないやん」

嫌でも2人が揉めてるのが聞こえてくる

初めてあった日に別れたって言ってた人はこの人だったのか

「、、あの人のどこがいいの？
あんな人、思い続けるだけ時間の無駄よ！
忠義くんが、辛いだけだよ？
なら、私の方が………」

わかりやすい三角関係。
聞いてて心臓がギューってなる

「ごめん。もう君を好きになることはないから」

大倉さんが淡々と言い放った。

その瞬間、静かな空間に乾いた音が響く

大倉さんが頬を押さえてそっぽを向いていた。

「、、最低！！」
そう吐き捨てて、踵を返す元カノさん

生まれて初めて目撃したいわゆる修羅場に背中が凍りついく

立ち尽くしてると、走り去ってる大倉さんの元カノさんとすれ違い際に思いっきり目があった

実際はほんの一瞬なんだろうけど、体感的には5秒以上だった

最悪だ、、、

走り去る背中が見えなくなってからマンションの前を見るともう大倉さんは居なくなってた

あんなの漫画とか昼ドラ以外で見ることあるんだ

初めてあんなに冷たい大倉さんの声を聞いた

思い出してゾクッとする。