今宵、月夜に君は輝く。Ⅱ (ページ1)

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「章大くんのお知り合い？」

綺麗なお姉さんは不思議そうに首を傾げ、
私が数えきれないほど呼んだ呼び名で彼に問いかけた

＂章大くん＂の記憶が上書きされていくようで嫌だった。

「あぁー、、、」

章大くんダメだよ

そんな言い方すると、何か関係があったんじゃなんかって彼女さん不安にさせちゃうよ

『大学時代、同じ学部だったんです』

一つ深い呼吸をして、笑顔でそういった
嘘はついてない。

けど5年も付き合ったことは隠す。
元カノってことは言ってはいけない気がした

「そうだったんですね。その節はお世話になりました」

そう言ってペコッと頭を下げてからニコッと笑った。

その場を和ませるように軽い声色で綺麗なお姉さんが笑顔で言ってくれただけ

私が元カノってことに気づいて嫌味で言ったのではないのはわかってるけど、

今の私にはちょっとダメージがデカい

やっぱり付き合ってるんだね。

きっと今まで1番上手に作り笑いができた