今宵、月夜に君は輝く。 (ページ18)

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「今、元彼のこと思い出してるやろ」

『え？！』

図星やろって大倉さんが私を見て笑った。

『なんで…』

「顔に書いてるで？」

＂顔に書いてる＂って文字通りの意味じゃないのに思わずほっぺたを触った。

『そんなわかりやすいですか、』

「いや～」

じゃあ、なんで分かったんだろ、、

理由を考えてると大倉さんがぼそっと呟いた

「俺と同じ顔してたからかな…？」

大倉さんと同じ顔……

私そんなに綺麗な顔だっけ？

顔似てたら、相手の気持ち分かっちゃうもん？

いや、そもそも似てないんだけど、

「いや、顔が似てるとかやないで？」

『あ、やっぱり』

「なんか雰囲気が似てたんかな？
些細なことでその人のことを思い出してさ、勝手に悲しくなって、、
それをまた繰り返して。」

私と同じだ。

だから、分かったんだ

『もう、その人が自分振り向いてくれないことは確かなのに、ひとりで苦しくなって…
こういう話をしてる時にも頭に浮かぶのはその人の顔なんですよね〜』

「どうせなら、顔も見たくないってぐらいに拒絶してくれた方がええやんな」

大倉さんも誰かに焦がれて、その恋は実らずにおわった

そう考えると、一気に親近感が湧いた

恋って上手くいかないもんなんだな