今宵、月夜に君は輝く。 (ページ40)

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「お祭りって基本的なんでも高いよな」

買ったたこ焼きをふーふーしながら大倉さんが言った

『なんで高いんですかね？』

そんなことを話してると、誰かに肩がぶつかってしまった

『すみません』

「いえ、全然大丈夫ですよ。
こちらこそごめんなさい」

真っ白のノースリーブのワンピースを着た綺麗なお姉さんに見惚れる。
スラッとした長い手足にとっても似合っててキレイ

声まで美しくて品がある

「どーしたん？」

ふと聞こえてきた聞き覚えのある、少し高くてのんびりとした柔らかい関西弁

大倉さんじゃない別の誰かの声

心臓がどくどく脈を打って、嫌な早さになる

気づかず少しだけ進んでた綺麗なお姉さんの彼氏らしき人で

その声を発した本人が立ち止まりが振り向く

心臓が痛いぐらい早くなって息が苦しくなる

「Aちゃん、どうした？」

明らかに様子のおかしい私をみて大倉さんが心配そうに私の顔を覗き込む

「顔色優れないですけど大丈夫ですか、、?」

綺麗なお姉さんにそう聞かれた。

原因を作った張本人は、困ったように眉を八の字にして

「Aさん、やんな？」

他人行儀にそう呼んだ