今宵、月夜に君は輝く。 (ページ23)

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色々話して缶の中のビールの量が少なくなってきたとき

プルル…プルル…
ポケットの中のスマホが震えた

『すみません、、電話きちゃって』

「あーええよ、ええよ
じゃあ、今日はお開きやな。おやすみ」

『おやすみなさい』

ペコッと会釈して自分部屋に戻る

大倉さんとの時間を邪魔したんだから、この電話かけてきた人の罪は重いな

うるさいスマホをポケットから出すと、表示される
＂美稀＂の文字

美稀は大学時代から仲良くしてる友達

私と章大くんが付き合ってたのも知ってる。
別れたことはまだ言えてないけど

『もしもし？』

「あー良かった。出ないかと思った～」

『どうした？暇電だったら…』

大倉さんとの時間を邪魔した理由が暇電だったら、、

「あるある！ちゃんと要件あるよ！」

私の殺気が電話越しに伝わったのか少し焦って答えてる

「もうすぐお祭りあんじゃん。そんで土曜に一緒に行かない？」

残業回避のためにどうせなら金曜日が良かったけど、花形の金曜にはきっと彼氏と行くのだろう

これは、残業組確定だ

『いいよ。行こっか』

「あんた着物でくる？」

『着物かー』

去年章大くんと行った時と同じ着物で行ったら絶対思い出して苦しくなるな

『動きづらいしやめとくかなー』

適当な理由を言う

そういやあの着物、章大くんと一緒に選んだんだっけ？

なおさら着ていったら涙止まらなくなって大変なことになる、、、

着物は実家行きかな。