錦戸くんに焼きそばパンあげたら好かれました。 (ページ5)

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いつもはバス通のあゆのバスが来るまで学校で一緒に話してるけど今日は1人だからそそくさと帰る

低い位置にある私の靴箱
しゃがんで靴を取ってると斜め後ろに人影

『あ、すみません…』

邪魔になってるからすぐ避けようと思ったら
目にかかる前髪を憂鬱そうに指で払ってる錦戸くんに見下ろされる

下アングルだというのにとんでもなくイケメンだ

『あ、ごめん避けるね』

またまた錦戸くんと話せた嬉しさとクラスの人と靴箱であうちょっとした気まずさを抱えながら

今日はよく錦戸くんに会うなーなんて呑気なことを考えてそそくさと帰ろうとしてると

「Aさんって電車通？」

『ううん、歩き!』

まさかの錦戸くんから話しかけてくれた

予想もしてない展開に少し声がうわずる

気まずい空気をどうにかしようと話しかけてくれたのかな今日のお昼変に話したから気使わせちゃったな

「俺も歩きやねんけど、良かったら一緒に帰らへん？」
あ、嫌やったら全然ええねんけど、、、

ってごにょごにょ言ってる錦戸くんかわいい…

またまた予想もしてない展開

『むしろ私なんかでよければ』

なんやかんやあって一緒に帰ることになってしまった
男子と2人で帰るなんて生まれて初めてかも…

時々、他愛もない会話をしては会話が終わって沈黙してまた少ししたらどっちかが会話をふってまた話すの繰り返し

そして、分かれ道に来たら私の家の方向を聞いてくれる
どうやら送ってくれるっぽい

「Aさんは朝も歩きなん?」

『うん、朝も歩き』

「結構、学校来るん早いよないつも」

『あー確かに早い方かも
いつもテレビでじゃんけん見てから出てるんだよね』

「朝やってるよな dボタンで参加する系のやつやろ？」

『そーそ！』

私から学校までは徒歩15分ぐらい

他愛もない会話と沈黙を繰り返してたらあっという間に家

「ここAさんの家？」

『そう！ごめんねわざわざ送ってもらっちゃって』

「俺もここから家近いから大丈夫やでじゃあ、」

『うん、じゃあ明日』

片手を顔の横に持っていって爽やかに笑って錦戸くんはさっききた道を引き返してる。
私を家まで送るためにわざわざ遠回りしてくれたんだ…

優しすぎる……

今まで少し怖がってたのがすごく申し訳なくなる。
ただただ良い人

錦戸くんの誰も知らない1面を知れて少しだけ嬉しくなった。