錦戸くんに焼きそばパンあげたら好かれました。 (ページ28)

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「Aちゃん、これ洗い物頼むな！」

『あ、はい！』

・

「…これ2番卓に持ってって」

『はい！』

ホール担当の店長さんにキッチン担当の渋谷すばる

私は主に洗い物してたけど店長さんが忙しい時にはテーブルに運んだりしてかれこれ4時間経過

「おつかれ〜今日はほんまにありがとうな！」

『おつかれでしたお役に立てたなら良かったです！』

お店のエプロンを外して店長さんに渡す

「帰りどうやって帰るん？」

『そこまで距離ないので歩いて帰ります』

「女の子がこんな時間にアカンよ！
すばる、あんた送ってあげ！」

「は？なんでおれが…」

嫌そうな顔をした渋谷すばるをジーッと見つめて圧をかける店長さん

「あーもう！ …はよ、こい置いてくで」

『え、あ、はい！今行きます！』

店長さんに改めてお礼を言って渋谷すばるを追いかける

「…家、どっちなん？」

『こっちです』

気まずーーーい時間が流れる

ちらっと横目で渋谷すばるの顔を盗み見ると、高い鼻に大きい目、塩素で色のぬけた茶色い髪で錦戸くんとはまたタイプの違うイケメン

改めてしっかり見るとイケメンなんだな〜って実感

みんながキャーキャー言うのもわかる

「めっちゃ視線感じんねんけど」

『あっ、すみません』

肩をすくめて鼻で笑う渋谷すばる

腹立つけどこれがまたかっこいい

「自分、クラスは？」

『2年2組です』

「2組ってことは亮おるクラス？」

『そうです！お知り合いですか？』

「まあな」

そう言ってクシャッと笑う

あれ？
まさかの錦戸くんと同じで全く怖くないってパターン？

店長さんの関西弁を聞いて錦戸くんが頭に出てきたのはあながち間違いではなかったのかもしれない

「今日はありがとなオカンめちゃくちゃ助かったと思うわ」

『いえいえ、こちらこそ送ってもらってありがとうございました』

「今度、改めてお礼するわじゃあ」

片手をあげ帰ってく渋谷すばるを見送り家に入る

あの渋谷すばるに送ってもらっちゃった

夢見心地な気分でスマホを取り出すと錦戸くんから連絡が来てた

今日の田村さんに言われたことを思い出して一気に現実に戻る

重たい気持ちでトーク画面を開くと、

＂用事思い出して帰ったって夏萌言ってたけど大丈夫？
要らんこと言われんかった？

今日、一緒に帰られへんかったから明日一緒に学校行かへん？＂

そんな錦戸くんからのメッセージをみて重かった気持ちが一気に軽くなる

とことん単純なヤツだなわたしって…