Dear My everything〜Donghae〜

大人の男に ページ19

島の西側の小さな入江が撮影場所。
観光地になるのを嫌って、地元の人がなかなか教えてくれない
穴場と言ってもいいくらいの場所。

岩に囲まれた小さな砂浜は、まるでプライベートビーチ。

そこに白いテーブルと椅子。そして白いパラソル。
テーブルの上にはフルーツたっぷりのカクテルに、ストローが2本。

ベタベタな設定に、自分でも笑ってしまう。

衣装を身につけたドンヘが現れた時、眩しくて思わず
目を逸らしてしまった。

もしも目が合ったら、この思いが溢れてドンヘにわかってしまうような気がして。

胸に小さなピンタックがたくさん入った真っ白いシャツ、
棒タイは垂らして。黒いパンツに素足。
ちょっと背伸びしたかと思いながら用意した衣装だったけど、
ドンヘは見事に着こなしてた。

少し多めに外したボタンの隙間からのぞく引き締まった胸の隆起に、
体の奥の方で何かがうずくのを感じて、体温が上がる。
周りにいる女性スタッフからもため息が漏れる。

わたしはドンヘの事、あんまりわかってなかったのかも。
今日のドンヘは、わたしが思ってた、あどけないドンヘじゃなかった。

等身大の、大人の男だった。

何度もポーズを変えて、カメラのシャッターが切られて行く。

そのたび、わたしは胸のドキドキを誰にも気づかれないように
隠すのに必死で、いつもより疲れてしまった。

そして、今回の仕事に喜んだ事を後悔した。

スタッフのパソコンに、リアルタイムに写真が写し出され
何度も確認し、指示を出して行くうちになんとか冷静を取り戻した。

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