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息がかかる距離 ページ11

ドンヘが何か言おうとしたみたいだったけど、わたしは慌てて目を逸らした。

「あ、そうだ」

キッチンの吊り戸棚の一番上のタッパーを取ろうとして小さな踏み台に乗る。
あと少し…

「俺が取ってやるよ」

「いい、もう取れるかr…」

そう答えようとした時、急に眩暈がして
バランスを崩したわたしは踏み台を踏み外した。

あっ!と思った瞬間、ドンヘが腕を伸ばして背中を抱き留めてくれた。
びっくりして目をつぶる。

そっと目を開くと、思いのほかドンへの顔がすぐ近くにあった。
スッと通った鼻筋、艶やかな唇、ふわふわの前髪から覗く、
くるんとした大きな瞳の中にわたしが映ってる。

その瞬間、遠い過去へと引き戻された。

就職した当時にもこんなふうに抱きとめられたことがあった。
歓迎会で飲まされて、酔いつぶれて玄関で寝ちゃって、
就職祝いのプレゼントを持ってきたドンヘに介抱された。

曖昧な記憶の中で二人の間に起きたこと。

夢?いや、夢じゃない…

でも、わたしは夢だと思うことにして、知らないふりをした。
お酒の魔法が、二人を惑わせただけ。そう、自分に言い聞かせて。
これも、お墓に持って行く。大切な宝物。

しばらく、瞬きをするのも忘れるくらい見とれてた。

「大丈夫?」

息がかかるくらい近くで呼びかけられてハッとする。

「あ、ご、ゴメン!」

大げさなくらい、ドンへの胸を押して離れる。
その胸の厚みにまた心拍数が上がる。

「だ、大丈夫、ちょっと眩暈がしただけだから。お腹空きすぎちゃったかな」

「ったく、もっとちゃんと飯食え!痩せすぎ!!
それじゃ男寄り付かないよ?」

「な!パボドンヘ!」

ははは、と笑うその笑い方に胸が高鳴らないはずない。
だって昔から、その笑い方が好きだったんだから。

彼がいた証→←ホットミルク



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さくらこ(プロフ) - ふるふるさん» ふっるんちゃん、ようこそ〜♪コメントありがとうございます!!続きもよろしくお願いします! (2013年3月31日 22時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ゆなさん、初コメありがとうございます!すごく嬉しいです(≧∇≦)脳内で変換して楽しんでいただけると嬉しいです! (2013年2月20日 21時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mi*ku | 作者ホームページ:http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/  
作成日時:2013年2月11日 1時

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