５話 ページ5
もう終わらせようと、また拳を握りなおした時。少女の足が地面に落ちた。力が急激に無くなってしまったかのように、ヘタリと地面に腰を下ろす。
「おいどうした！ さっさと立てよ。じゃねぇと」
戦意喪失した少女にまだグチグチ言う男を他所に、俺は座り込んだ少女の首筋を確認する。決して疚しい趣味とかではない。
少女の首にはもう痣は無かった。
「おい……」
俯いている少女の顎を指で上げる。少女の瞳はまるで光を吸い込んでしまうような真っ黒で。何も映していなかった。死人みたいな目だ。
「お前、うちで働かないか」
少女は答えない。俺の言葉も聞こえているのかも定かではない。
「答えろ」
少女の髪を鷲掴みにして顔を覗き込む。指など通った事がないというくらい軋んだ髪は、変なところが引っ張られて数本抜けた。
「答えないと言うことは肯定か？」
応えられない事はよく分かっていた。少女は所謂廃人で、外界からの情報を遮断しているのだから。
少女の「力」には検討が付いている。恐らく相手の依存度で力の上下をするんだろう。どのようなものが少女の力を上げるのかについては、まだ未知数だが。そして、依存度は首の痣が鍵になる。これもまたどうやって首に痣がつくのか分からない。分からないから、俺が知っている方法で、痣を作るしか他ない。
「死なない程度にやるが……加減が分からないからな。死んだら骨は拾ってやる」
髪を掴んでいた手を離して、首にまとわりついている髪を払い、少女の首に手を添えた。
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狼(プロフ) - アホですさん» コメントありがとうございます。ファンレターいただきました！ 自分の趣向が独特なのは重々承知していますので、同じ仲間ができて嬉しいです！！ 頑張ります！！ (4月1日 21時) (
レス) id: aa611b8d88 (このIDを非表示/違反報告)
アホです - 好き、 (4月1日 17時) (レス) @page9 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
狼(プロフ) - 滅華狂さん» オレの壁を詰め込んだらこうなりました☆ コメントありがとうございます。頑張ります！ (3月11日 10時) (レス) id: aa611b8d88 (このIDを非表示/違反報告)
滅華狂(プロフ) - 主人公の忠誠が強すぎ…こんなすごい子を描けること尊敬します。更新頑張ってください (3月11日 5時) (レス) @page9 id: 268b73ad4f (このIDを非表示/違反報告)
狼(プロフ) - あゆかさん» ご指摘ありがとうございます！！ あのまま気づかなかったらヤバかった……！ (1月31日 20時) (レス) id: aa611b8d88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狼 | 作成日時：2024年1月30日 10時
