Chapter1-「夏への扉」��（終） ページ13
ビビが強く叫んだ瞬間。
目の前に、諸々の無機物を束ねたような横長の物体が突如浮かんだ。
その物体の先端から、半径1メートルはあろうか、大きな光線が放たれた。
超高速で放たれたそれが、『ボス敵』に直撃する。
エリィへと進路を向けていた『ボス敵』だったが、光線の威力に負け、速度を失い吹き飛ばされる。
『ボス敵』は表面を焼き切られ、よろめいて地面に落下する。輪郭が不安定なものになった。
ビビ「はぁ…はぁ…」
肩をこわばらせてうつむき、息を荒くするビビ。
エリィ「ビビちゃん…やった…！」
その場で達膝をついていたエリィが立ち上がりながら、驚きと喜びの混じった声をあげる。
エリィはビビの方へと駆け寄りだした。
ビビが顔を上げる。『ボス敵』へ目を見やる。
地面に落ちた『ボス敵』は、かたかたと揺れた後、再び浮上した。
直後、徐々に速度を取り戻しつつ、ビビめがけて突進を始めた。
ビビ「え…まだ…」
ビビは立ち尽くし、顔を両手で覆う。
「やああああっ」
ビビは両目を開く。
目の前にはエリィが。
今度はしっかりと、『ボス敵』を切り裂いていた。
真っ二つになった『ボス敵』は、すぐに砂のように分解されていき、空間へと溶けていった。
エリィ「はあ…ふう。やったね…ビビちゃん！」
ビビ「う…うん…やった…」
ビビ「怖かった…」
ビビは目を丸くして、膝を落とす。
エリィ「うん…うん」
エリィがビビの下へ駆け寄る。
ビビ「怖かったよ〜〜」
エリィ「わああ〜！！」
二人は揃って声を上げると、その場で抱き合った。
そうしているうちに、視界が白んできた＿＿＿＿＿＿
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【研究室】
＿＿＿ビビ。
ん…
＿＿＿ビビ!!
シィタ「…聞こえてるかなぁ」
ビビ「…にいちゃん…？」
シィタ「あ…大丈夫みたいだ。…ドット」
ドット「そうか!!よかった…こっちも無事だ!!」
エリィ「う、うーん…」
現実空間＿＿研究室に帰還すると、二人は、ほぼ同時に目を覚ました。
『I-G空間』にダイブする直前＿＿仰々しい形の椅子の上に座った姿勢のままだ。
違うのは、周囲の空間の歪みが消えたこと。
ビビは、部屋がいかに雑多な雰囲気かということを改めて感じた。
ドット「その…二人とも本当にお疲れ様、本当にありがとう。…今はゆっくりな」
そのドットの言葉を聞いたかどうか。
ビビもエリィも、再びその場で眠り落ちるのだった。
Chapter1「夏への扉」 終わり
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kakuse - to:1-3 門外漢へ説明できない不通さは開発者あるあるですね、なんでリアルなんだ……。無機材って金属やセラミックでしたっけ、ここからスケート装備につながってく予感。ティータイムを裂く黒シルエット！ いつもいいとこで終わりますよね。 (7月23日 23時) (
レス) @page5 id: 81da8a903e (このIDを非表示/違反報告)
kakuse - to:1-2 マンガ表現もお手の物……！ 洋画なRingRing....が新鮮、そして妄想内ビビがお花畑かわいい。しかしアイドル狙いはキャラ紹介見る限りだと少し意外でした、いつか活かされるのかなこの設定。無色な夏休み差し込んだバイトの電話には喜興期待。すぐ読みます。 (7月23日 23時) (レス) @page4 id: 81da8a903e (このIDを非表示/違反報告)
kakuse - to:1-1 エラー→ホームルームの順番がいいですね。逆よりずっとスムーズ、これって話の流れをデザインとして捉えられる人の所業と思います。そして各シーンに絵がついてるの嬉しい！ モニター風にgifらせたり後席少年がビビの無音を引き立ててたり、いちいち喜興します (7月6日 21時) (レス) @page3 id: 81da8a903e (このIDを非表示/違反報告)
kakuse - to:キャラ紹介 [○○のすがた]好きですｗどのキャラも手に性格が出ていてキャッチしやすく、オーラ（？）の色も強すぎず見やすいです。兄妹で類似カラーなのもいいですね、ニド○ン♂♀。 (7月4日 21時) (レス) @page2 id: 81da8a903e (このIDを非表示/違反報告)
kakuse - 毎日読みます！ (7月4日 20時) (レス) @page1 id: 81da8a903e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナオ | 作成日時：2022年7月9日 4時
