【FAMILY】27 ページ43
NO SIDE
Aがいなくなり、それぞれ顔を見合わせ「戻るか」と紗月が口にした。特に反対する理由もなかった珂波汰たちも頷き、控室に戻ろうとした時、
__「もういっぺん言ってみろよ!!」
廊下に壱の怒号が響き渡る。何事かと怒号の響いた方へ駆け出した。角を曲がると、胸ぐらを掴み壁に少年を押し付けるようにしている壱がいた。
玲央「あの人、前に兄貴と一緒にいた人だ」
紗月「お、おい!何してんだよ、アンタ!」
Cozmezは面識がないものの玲央たちは顔だけは見たことがある為、紗月と北斎が壱と少年…詩音の間に入り、2人を引きはがした。
壱「っ!邪魔するなよ。関係ねぇだろ、すっこんでろよ!」
紗月「ちょ、いっで!?落ち着けって!」
巨体な北斎とガタイのいい紗月に抑えられる壱。詩音はやや赤くなった頬を撫で、フンと鼻で笑っていた。
詩音「口よりも手しかでないお頭の小さい人ですね。そんなことしかできないから、アレの手足として利用されているんでしょうけど」
壱「っ!アレ、アレって…もの扱いにしてんじゃねぇよ!!」
詩音「アレに人権等ない。それは法律が決めた事でしょ」
壱「それがそうなったのはテメェらの会社が余計な事を云ったからだろうが!!大体テメェがそんな洒落たスーツ着て、金もって普通に生活できてんのは…Aさんのお陰だろうが!!!」
壱の口からでたAという言葉に全員が驚く。壱の怒号に何も返さず、玲央たちの手を振りきり、立ち去ろうとする詩音。クソと悪態を吐いた壱は、その背中に向かって叫んだ。
壱「お前がコード付きにならなかったのはAさんが肩代わりしたお陰だろうが!!」
珂波汰「……は?」
壱の言葉に固まったのは2人の事情も正体を知らない珂波汰だった。
固まる珂波汰に気付かず、壱はそのまま立ち去ろうとする詩音に続ける。
壱「自分の分の負債あるのにテメェの分を先に支払って…そのせいで今もあの人は負債まみれだ!!もう一生この街に縛りつけられたって払えねぇ巨額が首にのしかかってる!それをアレコレだの、物呼ばわりしやがって!!誰のせいで、こうなってんだ!!!お前のせいで苦しんでるっつーのに、テメェは何とも思わねぇのかよ!!!」
ゼェゼェと息を荒くしながら叫ぶ壱。ピタリと歩くのを辞めた詩音は、ゆっくりとこちらを向き、
詩音「だから何なんですか」
と告げた。
時間が一時停止したように、静かになる廊下。
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テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» あけましておめでとうございます!本当に何度もコメントを下さり、嬉しいです!今年は新チームの曲&ドラマもきますからより一層パラライが楽しみになりましたね!今後とも、この作品共々よろしくお願いいたします!! (2022年1月9日 21時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - うぅぅ…なんで投票1回しかできないんだ...。もっと投票したい......。遅くなりましたがあけましておめでとうございます!更新頑張ってくださいね!応援してます! (2022年1月9日 18時) (レス) @page40 id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» コメントありがとうございます!今回はcozmezフィーバーです(笑)。毎回、更新する度にコメント下さって本当にうれしく、励みになります!これからも頑張りますのでどうかよろしくお願いします!! (2021年12月30日 1時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 今回cozmezとの絡みが多い!尊すぎてしばらく悶えました (2021年12月28日 22時) (レス) @page7 id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 続編おめでとうございます!続きめっちゃ気になってます!更新頑張って下さい!! (2021年12月23日 17時) (レス) id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年12月23日 2時