羅刹の幻影は囁く part11

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男「ど、どうせ仲介人とは言え…女1人だ！逆にテメェの身柄とらえて、売っちまえばメタルよりも大儲けできる」
『巨体だけが取り柄の馬鹿に何ができる』


ハッと嘲笑し、その男含め2人を見る。
背中を唖然と見ていた珂波汰だが、痛んだ腕を抑えて立ち上がり、その隣に並んだ。



『寝てろよ、坊や』
珂波汰「坊や言うな！こんな奴等、俺一人で十分なんだよ」
『ボロボロな成りで大口叩くな。だから出るなって言ったのに』
珂波汰「うるせー！あんな説明で納得できるわけねーだろ！」
『あ、那由汰は下がってろよ。危ないから』
珂波汰「おい、無視するな！」


男「くそ、や、やっちまえ！！」


その言葉を皮切りに、一気に襲いかかる男2人。


珂波汰「アンタみたいなひ弱な腕でどーやってアイツ等」
『誰が腕使うって言ったんだ』


「は？」と惚ける珂波汰。ダッとナイフを手にする男に駆けだす。振るわれたナイフを持つ手を弾き、思いっきり足を振り上げると、その男の急所を蹴り上げた。

「うぐぅ」と汚い悲鳴を出しながら、震え倒れる男。


『足使えばいいだろ。男なんて急所蹴れば一発なんだし』
珂波汰「おまっ、同じ男の俺らの前で………でもいいか、楽だし」
『いいのか』


自分の方に突進してきた大柄の男に脚を振り上げ、急所を蹴り上げている珂波汰。早くも掌返ししている珂波汰に呆れるAだが、『まぁいいか』とすぐ割り切る。
突っ伏し倒れる3人に背を向け、那由汰の方へ。


『ともかく、珂波汰の手当するから移動しよう』
珂波汰「いや、俺は別に」
『その怪我で何言ってんだ馬鹿。もうじき4th Battleも近いんだ。顔に傷残ったままステージバトルやるつもりか？』


正論を言われ黙り込む珂波汰。
『それに』と兄を見つめる那由汰に視線を移す。


『たった1人の弟を心配させるぞ』
珂波汰「……………クソッ、わーったよ。頼む、頼めばいいんだろ！」
『逆ギレかよ。まぁいいか、ともかく行こうか』

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