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【300】__珂波汰SIDE ページ43

あ、これ夢だって、すぐわかった。


だって俺の体も、隣にいる那由汰の体もちっちぇ。
何より目の前に会えるはずがない奴がいた。




??「かなた、どーしたの?」
那由汰「はらへったの?ポテチくう?」



黙り込むガキの俺を心配そうに見る2人。
夢だと理解したら自然と冷静になれたけど、今はこの夢に浸りたくて「なんでもない」と答える。


目の前にいる久しぶりに見た姉ちゃんは、相変わらずボロボロだった。服は薄っぺらい患者服みてぇなやつで。首元や足、腕なんか見える所には注射の痕だったり、紫に変色した痣がいっぱいある。

でも、本人は痛そうな顔なんかみせねぇで持ってきた菓子やジュースを勧めてくる。
その痣の事を聞いても、「大丈夫」の一点張りで、何にも教えてくれねぇ。


そっと姉ちゃんの手を握る。
ちっちゃくて、弱っちぃ手。
なのに、この時は俺らをスラムの大人から庇ってくれていた。




なぁ姉ちゃん、俺が言った事覚えてるか?

いつかこんなスラム出から那由汰と一緒に出て、姉ちゃんも一緒に暮らそうって。
俺らと姉ちゃんは血繋がってねーけど、本物の姉弟みたいに一緒に。
屋根がある所で、あったけぇ家で、こんな菓子やジュースじゃなくて腹いっぱいになれる飯を作って食おうって。


マジで、このころは信じてたんだ。
俺には那由汰と姉ちゃんがいる。ずっと一緒なんだって。



なのに、アンタは消えちまった。
どんだけ待っても、待っても、待っても、アンタは俺らの所に来てくれなかった。
いつしかそれが当たり前になって、ずっと那由汰と2人で生きてきた。




珂波汰「なぁ、姉ちゃん」




俺が呼びかけると、記憶の中の姉ちゃんは顔を上げる。
その瞳の色は、何回思い出しても、綺麗な色だ。






珂波汰「アンタは今、どこにいるんだ」

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テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» 評価1回しか押せないのにそんな何度も・・!ありがとうございます!更新頑張ります! (2021年12月2日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
わらわら - こんわ!毎日見てます!あのポケカラとゆうアプリなんですけど、、歌わなくっていいので!そのメッセージでなりきりしませんか?私のは「栗花落アリス」って書けばでます!オーバーでしたらいらないやつを消してください (2021年12月2日 21時) (レス) id: 8f9b2ed954 (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 何回も何回も評価押しちゃう...。更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年11月29日 23時) (レス) id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - ゆいゆいさん» 折角お誘い頂けたのに、すいませんでした!ありがとうございます (2021年11月25日 14時) (レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいゆい - テルミヤコウジさん» 別にいいですよ!これからも読み続けるので頑張ってください! (2021年11月25日 14時) (レス) id: 9bf949a5b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年11月21日 21時

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