【279】 ページ22
『人は見かけによらないとは言うけど……じゃあ、お店では神林さんが？』
西門「あぁ、今はね」
『今は？』
西門「………昔は、私の妻が弾いていたんだ」
「もう亡くなってしまったけど」と呟き、ピアノの方を静かに見る。
その視線と空寂とした空気を察したAは『すいません』と謝罪をする。それに西門は「かまわないよ」と首を振る。
西門「君は知らなかっただろうし、唐突に申したのはこちらだからね」
『…ご愁傷様です』
西門「本当に気にしないでくれていいよ。それに…椿、妻が亡くなったのは…9年前の事だしね」
そっと左手の薬指にはめてあるシルバーリングを撫でながら「椿の存在は、私の中で刻まれている」と言う。そして、眠る神林の方を見て、
西門「勿論、匋平の中にもね」
『…………奥さんは、幸せだったんでしょうね。西門さんや、神林さんと出会たんですから』
西門「そうだと嬉しいな。私達も、椿との出会いがあって…ここまで来れたんだ」
「感謝しかないよ」と言い、神林にそっとジャケットをかける。
頬を上気しながら眠る神林は、気づかずスヤスヤと眠り続けている。
西門「私はね、ふと思ったんだ。椿は少し、君に似ている気がするよ」
『私と？』
西門「あぁ。芯があって、凛と真っすぐしていて……まぁ、容姿とかは似ていないけども。雰囲気がね」
『………そんな事ないですよ』
ポツリと呟いたAの言葉に「え？」と声を出す西門。
Aは顔を上げず、グラスを軽く回し、溶けていく氷をジッと眺める。
『私は、あの人みたいに綺麗な人間じゃないですよ』
その言葉に目を見開く西門。彼が何か言う前に「ご馳走様」と告げ、立ち上がるA。
西門「Aく『これ、おつりは結構ですよ』…あ」
カウンターの上に万札を3枚も置き、西門が止める間もなく彼女はBarを出ていった。
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テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» 評価１回しか押せないのにそんな何度も・・！ありがとうございます！更新頑張ります！ (2021年12月2日 23時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
わらわら - こんわ！毎日見てます！あのポケカラとゆうアプリなんですけど、、歌わなくっていいので！そのメッセージでなりきりしませんか？私のは「栗花落アリス」って書けばでます！オーバーでしたらいらないやつを消してください (2021年12月2日 21時) (レス) id: 8f9b2ed954 (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 何回も何回も評価押しちゃう...。更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年11月29日 23時) (レス) id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - ゆいゆいさん» 折角お誘い頂けたのに、すいませんでした！ありがとうございます (2021年11月25日 14時) (レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいゆい - テルミヤコウジさん» 別にいいですよ！これからも読み続けるので頑張ってください！ (2021年11月25日 14時) (レス) id: 9bf949a5b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年11月21日 21時
