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ASIDE
『……』
微かに香る線香と畳の匂い。ドタバタと聞こえる足音。
それらを感じつつ、そっと目を開いた。
あれだけ殴られたのに目元は腫れていなかったらしい、バッチリ目が開く。
だけど顔や首を動かすと痛みを感じるので、視線だけをずらし、場所を確認する。
やっぱり、翠石組の屋敷だった。
目線の先に「にゃぁ」と以前探したシロが鳴き、私の頬によってきた。
腕の痛みを我慢し、そっと撫でる。よくみると、腕も手首も、殴られた頬もしっかり手当されていた。
玲央「Aちゃん!!?」
足音が私が眠る部屋の前で止まり、襖が開かれて早々、玲央の声が響く。
後ろにいた紗月も北斎も私の名前を呼んで近づいてきた。
玲央「っ、よかった!目がさめて……っ、あんなボロボロだったから」
紗月「たくっ、心配させやがって!なんであんな怪我だらけなんだよ!!血だっていっぱい出て…っ、全然、目もあけねぇから…っ」
北斎「…目がさめて、本当によかった。怪我、痛いよね……」
玲央はポロポロと涙を流し、紗月も涙をこらえるように拳をワナワナと震わせている。北斎はそっと私の頬に張られるガーゼをやさしい手つきで撫でる。
『………ごめん、でも大丈夫だよ』
頭を撫でてあげたいが、そこまで腕を上げられない。
腫れは引かないだろうけど骨は折れていない事が一番の救いだ。暫く、接客業の手伝いは無理だな。
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テルミヤコウジ(プロフ) - 鈴零_さん» 自分でもここまで長く続くとは思っていませんでた(;^ω^) これからもちょびちょび頑張ってやっていきますので、よろしくお願いします! (2021年12月2日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
鈴零_(プロフ) - 纏めた方がいいと思ったので、こちらで書かせていただきます。続編(part9)おめでとうございます。次もゆっくり見させていただきますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: eefe8e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴零_(プロフ) - テルミヤコウジさん» 返信ありがとうございます、気づきませんでした(-_-;)全然大丈夫です、むしろ楽しみが増えるので( ´∀`*)全部見ました! (2021年12月2日 20時) (レス) id: eefe8e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» わー!毎度毎度コメント下さり、本当にありがとうございます!!cozmezなんか毎回短くてすいません(泣)今後の彼らに期待してみててください!よろしくお願いいたします!! (2021年11月19日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - あーもうcozmez尊い!かわいい!毎回更新楽しみにしています!応援してます! (2021年11月19日 20時) (レス) @page40 id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年11月11日 2時