検索窓
今日:6 hit、昨日:6 hit、合計:50,865 hit

【248】 ページ29

ASIDE



『……』


微かに香る線香と畳の匂い。ドタバタと聞こえる足音。
それらを感じつつ、そっと目を開いた。


あれだけ殴られたのに目元は腫れていなかったらしい、バッチリ目が開く。
だけど顔や首を動かすと痛みを感じるので、視線だけをずらし、場所を確認する。
やっぱり、翠石組の屋敷だった。

目線の先に「にゃぁ」と以前探したシロが鳴き、私の頬によってきた。
腕の痛みを我慢し、そっと撫でる。よくみると、腕も手首も、殴られた頬もしっかり手当されていた。


玲央「Aちゃん!!?」



足音が私が眠る部屋の前で止まり、襖が開かれて早々、玲央の声が響く。
後ろにいた紗月も北斎も私の名前を呼んで近づいてきた。


玲央「っ、よかった!目がさめて……っ、あんなボロボロだったから」

紗月「たくっ、心配させやがって!なんであんな怪我だらけなんだよ!!血だっていっぱい出て…っ、全然、目もあけねぇから…っ」

北斎「…目がさめて、本当によかった。怪我、痛いよね……」



玲央はポロポロと涙を流し、紗月も涙をこらえるように拳をワナワナと震わせている。北斎はそっと私の頬に張られるガーゼをやさしい手つきで撫でる。



『………ごめん、でも大丈夫だよ』



頭を撫でてあげたいが、そこまで腕を上げられない。
腫れは引かないだろうけど骨は折れていない事が一番の救いだ。暫く、接客業の手伝いは無理だな。

【249】→←【247】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
103人がお気に入り
設定タグ:パラライ , ParadoxLive
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

テルミヤコウジ(プロフ) - 鈴零_さん» 自分でもここまで長く続くとは思っていませんでた(;^ω^) これからもちょびちょび頑張ってやっていきますので、よろしくお願いします! (2021年12月2日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
鈴零_(プロフ) - 纏めた方がいいと思ったので、こちらで書かせていただきます。続編(part9)おめでとうございます。次もゆっくり見させていただきますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: eefe8e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴零_(プロフ) - テルミヤコウジさん» 返信ありがとうございます、気づきませんでした(-_-;)全然大丈夫です、むしろ楽しみが増えるので( ´∀`*)全部見ました! (2021年12月2日 20時) (レス) id: eefe8e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» わー!毎度毎度コメント下さり、本当にありがとうございます!!cozmezなんか毎回短くてすいません(泣)今後の彼らに期待してみててください!よろしくお願いいたします!! (2021年11月19日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - あーもうcozmez尊い!かわいい!毎回更新楽しみにしています!応援してます! (2021年11月19日 20時) (レス) @page40 id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年11月11日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。