羅刹の幻影は囁く part9

【PRIDE】19 ページ14

ASIDE



アン「何でA、朝からこんな所にいるの？」
『それはこっちの台詞なんだが……。私は萬屋の依頼だ。ここの近くにあるレストランの店主から、魚の仕入れを手伝っていたんだ。なんか声が聞こえると思ったが…なんで怒ってんの？』
アレン「俺らのチーム名を間違われたんだよ！変な男に！」
アン「BAEのことBEAって言われたんだよ！？大分失礼じゃない！？」


BAEをBEA…まぁ似ているが……て、意味がクマになるぞ、それ。
大分変っているというか、馬鹿なのかなその間違えた奴。


『熊ね、可愛いじゃん』
アン「そういう問題じゃない！あー！苛々したらお腹空いた！」
『なんだそれ』
アン「ねぇ、A！レストランって言ってたけど、もうやってる？」
『人の話聞かん奴だな…。一応やってるよ、仕入れ手伝ってくれた賃金が朝ご飯奢ってもらう事だから』
アン「え？奢り？やったー！僕も食べたい！海鮮系久しぶりー！」


いやお前等一緒に奢られるとか言ってねぇし。
色々と文句を挟みたかったがその前にアレンの腹の虫を情けなく鳴りだす。


アレン「…悪い、俺も腹減って」
夏準「そうですね、僕もお腹が空きました。優しい萬屋さんは、空腹の僕たちを見捨てたりなんてしませんよね？特に僕は傷心中ですから」
『嘘つけ』


爽やかな笑顔で言いやがって、この態度を見るに昨日のアレは３人で解決できたんだろう。
けど、ここで拒否しても恐らく帰らないだろうなぁ。



『…はぁ、いいよ。話付けてあげる』

アン「わーい！さすがA！話が分かるね〜！いいこいいこしてあげる！」

『いやいらんし、頭撫でるな』

夏準「そうですよ。頭をなでると成長が止まってしまうそうですし…あっ、失礼しました。もうそれ以上伸びる事はありませんね」

『おら、どういう意味だこのマッシュルーム野郎』



まだ２０だから伸びしろあるし。
………い、いや、あるはずだ、きっと。

て、待てよ。頭撫でられるとそうなのか？
だったら晴兄に大分頭撫でられている。

い、いや、だからといってそれを辞めてほしい訳じゃないけど…。

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