羅刹の幻影は囁く part9

【PRIDE】18＿＿BAE SIDE ページ13

そんな3人を、海の色でもあるマリンブルーの瞳を細めながら見つめていた男だが、ふっと口から笑みを漏らし歩き出す。ザッザッと男が吐くビーチサンダルが砂浜に音をつけていく。


夏準「あっ、ちょっと！」


話す間に男が去るのを見た夏準が慌てて声をかけるが、男はニカッと笑って振り返り、




？？「そんじゃ頑張れよ！……えーっと、うーんと……」



と、何ともしまりが悪い様子で首を傾げ、頭を捻り、悩みだす。
デカイ成人越えているであろう男の大げさで子供のようなリアクションに３人は冷ややかな目で見つめる。

そして、思い出したのか男は「おーそーだ！」と叫ぶ。



？？「バトル頑張れよ！【BEA】！」



そう叫ぶと背を向け、３人から遠ざかっていく。
暫く３人は男がいった【BEA】の意味を考える。

そして、



アレン「いや【BAE】だよ！」
アン「【BAE】だから！！」
夏準「【BAE】です」



ほぼ同時に叫び、間違えられた自分達のチーム名を男に向かって叫んだ。
が、既に男の姿は海辺のどこにも見当たらなかった。



アン「えーっ！？何なのアイツ！！」
アレン「【BEA】ってなんだよ！クマってことじゃねーか！」
夏準「…知名度が低いという事も含めて、名を間違われるのはこの上なく不愉快なんですが」


自信が誇りに思う【BAE】のチーム名を【BEA】と間違えられ、憤慨する３人。
そんな３人にザッザッと砂の音が近づく。



『…朝っぱらから何してんだ、お前等』

心底呆れたようなAが現れ、３人に尋ねた。





突然現れ、突然消えた男の足跡は……もう砂浜に残っていなかった。

【PRIDE】19→←【PRIDE】17＿＿BAE SIDE

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す