羅刹の幻影は囁く part6

【168】＿＿紗月SIDE ページ41

胸がバクバクッてして、凄ぇ早く感じる。
顔がどうしようもねえくらいに熱くなって、頭から冷水につかりてぇ。


ダァッと声を上げ、髪を掻き交ぜようとしたけど…なんか、勿体ないような、あの温もりがきえるのがイヤで、腕を降ろした。

こっちの気も知らねぇで『大丈夫か？』って聞いてくる目の前の女が凄ぇむかつく。
けどおんなじ位、その声が目が、俺に向いてるってわかってどうしようもなく胸があつくなる。



んだよ、これ…この感覚。滅茶苦茶知ってる。
だって、アンを見る時………＿＿＿いや、アンを見てる時よりもひでぇ。


アンみてぇにイケてる女をみたら、顔だって熱くなるし、どもっちまうし、情けねぇカッコウ見せちまうけど………なんか、それとは違う。

顔があつくて、あつくて、善兄とよく行くサウナに１回もでねぇまま１時間位入ってるみてぇなヤバイ感じ。


んだ、これ？病気？もしかして、おれ、カゼひいたのか？
マジかよ、アニキに移しちゃもうしわけねぇのに。


どうしようもねえこの熱がウゼェのに、ウゼェはずなのに……



『おい、本当に大丈夫か？』
紗月「っっつ！？」



ウゼェと同じくらい、この熱さが気持よく感じる。
のぞき込むAの顔が、ガチで近くて、ドラムみてぇに心臓がはやくなった。


紗月「うっ、わぁああ！！！？」
『っ！？』



思わず叫ぶと、目の前のAも１歩離れた。
その離れたのが、なんか寂し………って、寂しいわけあるか！！！？


なにかんがえてんだ、俺マジでおかしい。病気か！？病気なのか！？
ど、どういう病気なんだ、これ！！

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