羅刹の幻影は囁く part5

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・・・・いや、待て。よくよく考えれば普通の事だ。



『……君が学校とかに行っているとは思えないけど、一般教養を受けていればコレの意味位は知ってるよね』



四季は……どうなんだろう。高校生と言っていたから教わるだろう。
夏準も知っていたから、アンやアレンも自ずと知っている。まぁ、気づかせてないけど。



『軽蔑するなり好きにしなよ。どの道、傷が治ったらここから…』
リュウ「ゲッティーってさぁ、すっごーい太い鎖でまきまきだね〜」
『は？』



また奇想天外な事を言い出し、目を丸くする。
太い鎖でまきまき？どういう意味だ。



『悪いけど君の宇宙語についていけないんだけど』
リュウ「えー！？リュウ君宇宙語しゃべるのー！？すっごーい！」
『いや、話を…』
リュウ「だってゲッティーは怖い人たちにがんじがらめなんでしょ？」



予感が的中した。悪い方で。

怖い人たちにがんじがらめ…となると、鎖の意味も理解が出来る。
ちょっと待って、この子なんで……まさか“同類”？



『っ！？』



両肩をガシッと掴まれ、そのままベッドに鎮められる。
コバルトブルーの瞳にジッと見つめられ、言い知れぬ恐怖を感じた。



リュウ「ゲッティーはさ、空っぽに見せかけて・・ほんとはいっぱい持ちたいって思ってるんでしょ？」

『な、なにを…』

リュウ「でも、怖い人たちのせいでそれが許されない。だからいーつも暗い所で独りぼっち」

『っ……』

リュウ「リュウ君さぁ、ゲッティーの事すっごーく面白いって思ったんだぁ。だからさ、ゲッティーの心のふかいふか〜い所まで見てみたいんだぁ」



子供の様なあどけのない笑みで私を見下ろす。
この子は一体、何者なんだろうか。どこまで知っているんだろうか。
いや、知ったとしてもどうやってそれを知り得たんだ。



思考がまとまらず、彼の瞳から目をそらした時、彼の手が私の首に触れた。
包帯がとられると思った次の瞬間には「なでなで〜」と言いながら、首を撫でてきた。

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