【160】__神林SIDE ページ49
神林「絶対安静だって、実里の野郎からも言われたんだろう。うちで一度預かったんだ、それでお前に死なれちゃ、こっちの気が滅入る」
『っ……い、いい。これくらい…っ!?』
埒があかねぇから膝裏と背に手を回し、抱え上げる。
深夜の路地にコイツの怒声が響くが、生憎それで困る野郎は誰もいない。
『お、おい!降ろせって…っぅ』
神林「あんまし大声出すと腹の傷が開くぞ」
忠告が聞いたのか、叫ばず、俺の事を睨んでいる。
が、ネコの威嚇みてぇな睨みだったから、気にせずBarの裏口まで戻る。
リュウと四季が眠っているからか、路地にいた時より静かになった。
それを幸いに、そのまま元居た部屋に連れ戻し、不満げな顔を浮かべるコイツをベッドに寝かせた。
神林「うちで拾ったんだ。最後まで面倒は見る」
『………‥…………依織さんが言っている通り、お人よしだな、アンタ』
神林「やっぱ依織と知り合い何だな」
『仕事でね』
神林「女じゃねぇのか?」
『誰が』
即答で返し、何なら睨んでくる。
嫌われてんのか?にしちゃ、名前で呼んでるし、仕事のみの仲とは思えねぇが…。
『あの人はたんなる依頼相手だ。しょっちゅうウザがらみしてくる奴だよ』
神林「…それにしちゃー、随分なラブレター貰ってんな」
『人のスマホ見てんじゃねぇよ!』
俺の手の中にあるスマホを奪い取る。が、体を急に起こしたからか、フラッとふらつき、床に倒れそうになるのを慌てて受け止めた。
やや息が荒いのを見て、額に触れてみると、微妙だが熱があった。
神林「まだ熱がある。傷口が開くぞ」
『っ…これ位…………っぅ』
神林「いいから寝てろ。重症人を放り出すほど、冷ぇ人間じゃねぇよ。眠いんだろ、本当は」
『眠く…な、ぃ………かえ、る……って』
うなされてるときの四季みてぇにトントンと背を叩いてやると、熱と疲労からかウトウトと舟をこぎだし、すっと瞼を閉ざした。
寝息をたてたのを見て、再びベッドに横にならせ、シーツを肩までかけてやる。
額に滲んでいた汗を、傍にあったタオルでふき、目にかかっていた前髪を払う。
神林「俺も西門のが移ったか……」
脳裏に浮かんだ、西門のニヤケ面を一瞬で消し去り、はぁと溜息を吐いた。
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テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» 展開怒涛過ぎますよね。CD内以外のストーリーはほぼ妄想なので、楽しんでいただければ幸いです!kろえからも頑張ります (2021年8月16日 0時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - どんどんすごい展開になってきてますね!応援してます! (2021年8月15日 22時) (レス) id: be5ec27fa6 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» ありがとうございます!ほとんどがオリジナル展開ですが、今後とも頑張って続けていくので応援よろしくお願いします! (2021年8月9日 22時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 一気読みさせてもらいました!めちゃくちゃ面白かったです!更新頑張ってください!!! (2021年8月8日 6時) (レス) id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます!パラライを知っている方、好きな方が中々いらっしゃらないので、そのようなコメントは嬉しいです!夜叉様との絡みもしたいです!今後ドラマCDの展開が読めないので、追々と考えておりますが、ご期待下さい! (2021年7月27日 0時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年7月25日 19時