【142】 ページ31
『で、何か用？“あの人”からの仕事なら電話やメールでもいいだろ』
詩音「僕は今帰りで車を待っているんです。そこにあなたが偶々いただけです。
なので、退いて頂けませんか、その内車が来るのに貴方の姿なんて見せたくはありません」
『へー、女？17歳のくせにやるねー』
詩音「部下ですよ。ぶっ殺しますよ」
『出来るならやってみろよ』
会うたびにこれだ。
珂波汰や那由汰のように、普通の姉弟として話が出来ないものか。
『会話して数分で物騒だよな、私達。普通に姉弟らしくしてみる？』
詩音「首のソレ何とかしてから言ってください」
『………ハハッ、だな』
乾いた笑いしか出てこない。
そうだな、“コレ”を何とかしない事には、お前の姉って普通に名乗れないもんな。
……………いつからこうなったんだか。
幼少期も一緒にいれる時間はほぼなかったが、ここまで変わるものなのか。
しみじみとそんな事を考えていたら、向かいから外車が走ってきて、すぐそばに止まった。
お迎えの到着ってか。
『よかったね、お迎えだよ』
そう言うと、詩音は私の顔をジット見つめ、やや眉をひそめた。喋りかけるなと、表情からも読み取れる。ヒラヒラと手を振り、それ以上見ないように顔をそらした。
詩音「次は2nd BATTLEですよ。しっかり自分の役目は果たしてくださいよ」
私の返事を待たず、車に乗り込む詩音。
扉が閉まったことを確認して早々、車はそのまま発進していった。
車が完全に見えなくなったことを確認し、溜めていた煙をフゥーと吐き出す。
私の気持ちなどお構いなしにフワフワと煙が夜空に向かって漂っていく。
『役目、か』
それをしないと、私が生きる未来もないんだろうな。
自分で自嘲じみた事を考えてしまい、鼻で笑ってしまう。
煙草を落とし、足で火を消し、バイクに跨った。
折角、いい夢が見れそうな気がしたんだが…やっぱり、悪夢になる気がするな。
＿＿＿＿＿＿＿＿
(オリキャラ)
・月夢詩音 (17)
Aの3つ下の弟。
姉に対して棘のある言い回しが多い。
【143】＿＿The Cat’s Whiskers SIDE→←【141】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» 展開怒涛過ぎますよね。CD内以外のストーリーはほぼ妄想なので、楽しんでいただければ幸いです！ｋろえからも頑張ります (2021年8月16日 0時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - どんどんすごい展開になってきてますね！応援してます！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: be5ec27fa6 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» ありがとうございます！ほとんどがオリジナル展開ですが、今後とも頑張って続けていくので応援よろしくお願いします！ (2021年8月9日 22時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 一気読みさせてもらいました！めちゃくちゃ面白かったです！更新頑張ってください！！！ (2021年8月8日 6時) (レス) id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます！パラライを知っている方、好きな方が中々いらっしゃらないので、そのようなコメントは嬉しいです！夜叉様との絡みもしたいです！今後ドラマCDの展開が読めないので、追々と考えておりますが、ご期待下さい！ (2021年7月27日 0時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年7月25日 19時
