【149】 ページ38
ASIDE
痛みと怠さを感じつつ、うっすらと瞼を開くと見たことがない天井が広がっていた。事務所でも、はたまた“奴等”の場所でもなかった。
ここは、どこだ？
それは言葉にはならず、喉奥で止まる。
喉がガラガラだ、水が飲みたい。けど、体が異様に重い。
＿＿「あっ…！き、きが……たんですね」
＿＿「よか……・…がれる、かい？」
すぐ近くから聞いたことあるような、ないような声が聞こえる。
ぼんやりとそれを聞いていたが、2つの足音が私に向かって近づくのを聞き取った。
その瞬間、重たい体を無理やり起こし、ベルト部分に隠していた小さなナイフを足音の方を向けた。
『っ…だれ、だ』
今できる精一杯の敵意を足音の人物に向ける。
だが、すぐに「ヒッ」という怯える声と、動揺するような声が聞こえ、目を細めた。
ナイフを向ける先には……TCWの西門直明と、真っ青になって怯えた四季がいた。
『……あっ、おまえ…っ、ごほっ、ごほっ！』
どうして、と言葉が続かず、むせてしまう。
それを見て西門さんがポカリを手にを私に近づいた。
西門「これ、飲めるかい？」
態々キャップを開けて、ストローまで挿してくれたソレをゆっくりと飲む。
ほどよく冷たい液体が喉を通り、渇きを癒してくれた。
中身の半分くらいまで飲んだ所で、フゥと落ち着くように息を吐く。
西門「驚かせてすまない。だが、我々は君に危害を与えようとしているんじゃない。
さっき、この子が路地裏で君が倒れているのを発見して、手当していたんだ」
『てあて……っ』
腹に違和感を感じ、そこを抑えると鋭い痛みが走る。
あぁ、そうか……久々にヘマをしたんだった。
【150】→←【148】＿＿The Cat’s Whiskers SIDE
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» 展開怒涛過ぎますよね。CD内以外のストーリーはほぼ妄想なので、楽しんでいただければ幸いです！ｋろえからも頑張ります (2021年8月16日 0時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - どんどんすごい展開になってきてますね！応援してます！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: be5ec27fa6 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» ありがとうございます！ほとんどがオリジナル展開ですが、今後とも頑張って続けていくので応援よろしくお願いします！ (2021年8月9日 22時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 一気読みさせてもらいました！めちゃくちゃ面白かったです！更新頑張ってください！！！ (2021年8月8日 6時) (レス) id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます！パラライを知っている方、好きな方が中々いらっしゃらないので、そのようなコメントは嬉しいです！夜叉様との絡みもしたいです！今後ドラマCDの展開が読めないので、追々と考えておりますが、ご期待下さい！ (2021年7月27日 0時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年7月25日 19時
