羅刹の幻影は囁く part4

【130】＿＿BAE SIDE ページ16

夏準「まぁ、彼女の口からちゃんときいていないので憶測ですけどね。
あの体質が好ましいとは強ち、言い難いかもしれません…。あんなもの、素早く見て終わらせたいはずですから」

アン「………そうだね。後々、あんなものに侵されるなんて」

アレン「……………アイツ、彫金に魂をかけてるって、俺たちと一緒だって……っ」





磨かれたばかりのメタルを握り締めるアレン。



だが、




＿＿『メタル。乱暴に扱い過ぎる』






最初に出会った時に言われた言葉を思い出し、その手を緩めた。
翼のチャームをゆっくりと撫でるように触れると、シミ一つないメタルの表面が現れる。




アレン「……………………俺、勝ちたい」

アン「アレン？」

アレン「アイツが魂をかけてくれた、俺たちに賭けてくれたこのメタルで、アイツに負けない位の幻影を出して…cozmezに勝ちたい」




バッと立ち上がって、そう宣言するアレンに目をしばしばさせる2人。
だが、ふっと笑みを浮かべる。


それぞれ、新たに磨かれたメタルを手に。



アン「とーぜん、でしょ。こんな最高のもの完成させてくれたんだから…キッチリ勝って、
どうだ！って言ってやらないと」

夏準「むろん、負けるつもりはありませんけど……彫金師である彼女に敬意を称して、僕は完璧なパフォーマンスをするだけです」

アレン「あぁっ！ぜったい、STAGE BATTLE、勝ち上がる！！」




俺たち、3人で＿＿そう宣言するアレンに、頷いた。








アン「…まっ、彫金するの僕らだけじゃないけどね」
夏準「確かに、cozmezもしますしね」
アレン「うっ…た、魂をこめてくれたAに対してだよ！！」







まとめさせろよ！と吠えるリーダーに対して、やれやれと肩をすくめた2人だった。

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