【102】＿＿cozmez SIDE ページ9
『…今から？ああ、わかりました。それじゃあ、指定場所に』
早々と電話を切り、スマホを直す。
そして、那由汰から解放された珂波汰の方へ向き直った。
『とにかく、無駄吠えはするなよ』
じゃあね、と言い路地から出ていった。
その背を怒りの形相で見つめ、震える珂波汰。
珂波汰「あの野郎‥っ！！」
那由汰「…あいつが、仕事を？」
珂波汰「…………………あぁ。金払いがよくて早く帰れる仕事紹介してくれる……ブス女」
那由汰「……そう、なのか」
珂波汰「…あいつの話は真に受けなくていい。お節介なんだよ、アイツ」
ムスッとした様子の珂那太を見て、那由汰はAが去った方角を見た。
那由汰「………何か、あいつ……似てるな」
珂波汰「はぁ？誰に？」
「会うの初めてだろ？」と首をかしげる珂波汰。
那由汰はどこか遠い眼ざしをして、小さく「姉ちゃんに」と呟いた。
姉ちゃん、それを聞いて目を見開く珂波汰。
珂波汰「あんなブスじゃねぇよ！姉ちゃんは！」
那由汰の言葉に反論する珂那太。
「え、けっこう美人じゃん」と言う那由汰に「どこが！」とさらに反発をした。
那由汰「何苛々してんだよ、珂波汰」
珂波汰「お前が、姉ちゃんに似てるとかいうからだろ！大体、姉ちゃん眼帯してなかっただろ！」
那由汰「決め手眼帯って弱すぎ」
珂波汰「あともっと優しい！」
那由汰「……あー、それはそうかも」
珂波汰「つーわけで、この話なし！んじゃいくぞ！！」
会話を断ち切り、歩き出す珂波汰。
先々へ歩く兄に目を丸くし、「どこいくんだ？」と追いかける。
珂波汰「アイツを追いかけるんだよ」
那由汰「なんで？」
珂波汰「さっきの電話見ろ。敬語使ってたんだ。大方、上司とかと会うんだろ？弱み握れるチャンスを逃してたまるか！」
那由汰「えー、凄ぇくだらねえ理由じゃん…」
面倒臭そうに肩を落とす弟だが、やる気満々の兄を落とすことは忍びないのか、気乗りしない返事を返す。意気揚々とAを追いかけだした兄の背を追いかけだした。
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テルミヤコウジ(プロフ) - KARAKARA666_さん» ありがとうございます！これからも更新続けていきますので、よろしくお願いします！ (2022年1月9日 9時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
KARAKARA666_(プロフ) - 素敵な作品を作ってくださりありがとうございます。これからも楽しみにしています (2022年1月8日 2時) (レス) id: c4cee0671b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年7月17日 23時
