【DESIRE】14__cozmez ページ43
珂波汰「…なぁ、那由汰―」
那由汰「…………なに」
珂波汰「いつまで怒ってんだよ」
那由汰「……………………別に」
フンッと兄の方を向かず、顔をそらし続けたままの那由汰。
まだふてくされている様子の弟の姿に、はぁと溜息を吐く。
その時、外が騒がしい事に2人とも気づいた。と同時に、珂波汰のスマホが音を鳴らす。
珂波汰「んだよ、煩ぇな……はい?」
〈『私だ』〉
珂波汰「…あ?なんで、お前が」
〈『いま家か』〉
珂波汰「……だったらなんだよ」
〈『なら早く出てきた方が良い』〉
珂波汰「は?どういう…〈『外見ろ』〉そとぉ?」
怠そうに立ち上がり、古びた小窓を開け、騒がしい外をのぞき込み、目を見開いた。
自分たちが住むアパートの目の前には騒ぐアンを抑えるアレンと、珂波汰と那由汰の部屋の方に手を振り、スマホを耳に当てているAがいたからだ。
那由汰「アイツ等………一人は、この間の女だけど、あの2人」
珂波汰「BAEの……お前、なんで」
〈『依頼でね。お前メタルとったんだろ、煩いから早く返してやれ』〉
珂波汰「ぐっ」
〈『このままスラムにいられると困る』〉
珂波汰「しるかっつーの!」
ブチッと電話を切り、アレンのメタルを掴む。
那由汰「なぁ、返してやったら?」
珂波汰「……返せって言われて返せるかよ」
那由汰「…たくっ、珂波汰は」
珂波汰「ともかく、アイツ等を撒くことが先だ」
そう言い、メタルをポケットにしまうと、逃げ出す準備を始める。
兄のその背を見て、深くため息を吐く那由汰。
けれど、反対する気はないのか自分も外へ出る準備を始める。
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テルミヤコウジ(プロフ) - KARAKARA666_さん» ありがとうございます!これからも更新続けていきますので、よろしくお願いします! (2022年1月9日 9時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
KARAKARA666_(プロフ) - 素敵な作品を作ってくださりありがとうございます。これからも楽しみにしています (2022年1月8日 2時) (レス) id: c4cee0671b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年7月17日 23時