羅刹の幻影は囁く part2 (ページ23)

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【69】＿＿The cat‘ｓ Whisker ページ23

西門「色々と謎な部分も多い子だけど…きっと、四季が言う通り優しい人だよ」
四季「っ…オーナー」
西門「さて、そろそろリュウを匋平から解放してあげようか」

裏口から聞こえる説教の声に肩をすくめ歩き出す。
クロを降ろした四季も、それに続いた。

＿＿……

リュウ「いたい～！」
神林「じゃあ、ちっとは反省しろ」

ダメ押しにリュウの頭に拳をぶつけた神林。
痛いと口では言っているが、その顔は笑っているため真偽は明らかではない。

その後すぐ、西門や四季がリュウを心配しに見に来た為、「ボスー、しっきー、かむかむえばー」と謎の言葉を発し、2人にめがけて走っていく。

ほどなくして、何かにぶつかる音と西門と四季の呻き声のようなものが聴こえてきて、「はぁ」と溜息を吐く神林。「懲りてねぇな」と吐き捨てつつ、タバコを1本吸う。

タバコから出る白い煙を見つつ、脳裏に浮かべるのはAの存在。
その首の後ろ、項部分に見えたバーコードのようなタトゥーを思い出す。

神林「………いや、まさかな」

眉間に眉を寄せ、慎重な物言いでそう呟く。
そこへ西門がやってきて、リュウへやり過ぎたことをとがめられる。

神林「いーんだよ、ソイツにはそれくらいで」

「過保護だなぁ」と吐き捨て、タバコをつぶすと、反論するために立ち上がった。