【68】＿＿The cat‘ｓ Whisker ページ22
西門「…匋平」
神林「んだよ、仲良くしろとは言われてるけど事実、無理なんだからいいだろ」
西門「だとしても女性にあのいい方はないだろう」
神林「どーみても怪しいだろ、あの女。絶対カタギじゃねぇ」
俺はつるむのごめんだわ、と言う神林はリュウの説教をつづける為、彼の襟首をつかみ裏へ引っ込んでいった。
やれやれと溜息を吐いた西門は四季に近づく。
西門「クロは大丈夫かい？かなり威嚇していたけど」
四季「あ、はい。今はちょっと…落ち着いています」
四季の腕の中にいるクロを西門は撫でると、ニャァ〜という声と共に首を伸ばす。
リックに対して威嚇していた反応とは大違いだ。
西門「しかし、チンチラに対してあそこまで威嚇するとは…」
四季「…Aさんには、凄く懐いていたんですけどね」
西門「確かに、彼女に撫でられているときは…！……四季、彼女の事、名前で…」
普段、弱気の四季が初対面同然の女性を名前呼びしていることに驚き、目を見開いている。そんな様子を見た彼は、恥ずかしそうに俯く。
四季「そ、その………は、話が合って、それで……す、好きに読んでいいと、言われたので」
西門「いや、責めているわけじゃないよ。ただ、意外だなと」
四季「…い、今もまあ…ちょっと怖いですけど。でも、ちゃんと僕の話を待ってくれるし、リック君やクロもあんなに懐いているから………お、恐らく、とっても優しい人、じゃないかな、と」
タドタドしく言う四季に目を丸くした西門だが、クスリと笑って「そうだね」と彼のやせた肩を優しく叩く。
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年6月29日 19時
