羅刹の幻影は囁く part19

【Lollipop＊universe】3 ページ8

『弁当２つも…しかも結構大きいし、私のいらなかったな』


弁当持参、と書かれていたので一応作って来たけど、こんなにもあるんだったら必要なかった。一応簡単なものだし、事務所に置いておいて壱達と作業しながら食うか。


リュウ「えー！！ゲッティーもお弁当作って来たの！？」

『え、まあ一応持参だったから』

アン「Aのことだから、『コンビニでおにぎり買ってきた』とかだと思ってた」

『なんか失礼だな。一応料理は出来る身なんだが』

玲央「みたい！みたい！那由汰もみたいでしょ？」

那由汰「え…………つ、作って来たなら、出せばいいんじゃねーの」

『言わされてる感満々だな。別にこんなにあるし、しかもクオリティ高い弁当だから出すのがいやなんだが』

アン「見た目の出来なんかより、Aが作ったことが重要なんだよ！」



そういうもんか？

別に出さなくてもいいと思うのだが、なんか期待の籠った瞳で見つめられている。これはもう出すしかないな。観念して、鞄から弁当箱を取り出す。
『簡単なものだぞ』と念を押し、蓋を開くと「おおっ」と大げさな声が４つ漏れる。


『…そんな声出す程のものじゃないだろ』

玲央「ううん！すごくおいしそー！中華弁当だね！」

アン「あ、のり巻き可愛い〜！中のご飯って、チャーハンなの？よく崩れないね」

『粗熱をとってから巻いたからな。油は冷えると固まるから、まとわりやすくなるんだ。』

玲央「わっ、この餃子の包み方も可愛い！バッテンみたいな形してる〜」

『一応外だって聞いてたから、ミニ餃子にニンニクは使用してないぞ』

アン「おっ、わかってますね〜！これとビールってめっちゃ合うよね〜」

『……真昼間で、未成年いる前に言うんじゃありません』


まあ、気持ちは分かる。
自棄が回った時、雷麺亭に行ってはビールとニンニクMAXの焼き餃子食べる事は稀にある。その時高確率で実里もいて、絡み酒をされることになるのだが。

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