羅刹の幻影は囁く part17

【LIVE AFTER STORY】2 ページ23

？「“はじめまして”、武雷管、夜叉」
？「夜叉サンとは、まだ会った事無かったな」

智生「…ああ、そうだな。会った事はねぇけど知ってるよ。今までコイツと見てたから」



コイツという部分で晴臣を指し、ニカッと人の良い笑みを浮かべた。
その言葉に「ふぃー」と息を吐き捨てながら、やぼったいフードを退けた。



？「だよなぁ、アイツに聞いた時はマジかよと思ったけど…実際こうなれば納得するしかねぇな」


フードに隠れていた端正な顔立ちと肩まで伸びた黒髪が露わになる。安心しきったのか、机の上でだらーんと座り込む彼を見て、「はしたないですよ、俊二」と注意した。


俊二「んだよ、湊也。お前だって初夜叉見てテンション上がってるだろ」
湊也「一緒にしないでください。初めて修羅さんに謁見した時、調子に乗りすぎて殺されかけた癖に」
俊二「そ、それとこれとは関係ねぇだろ！！」



「いつの話持ち出してんだ！」と憤慨する俊二にクスクスと笑うのは、以前珂波汰と西門が出会ったあの美青年。妖艶な笑みを浮かべる彼に対して、子供のような癇癪を見せる俊二。
2人の様子を見ながら、「うわっ、想像以上に面白いなぁ」と暢気に笑う智生。



智生「てか、殺されかけたって…何したの？」
晴臣「知らん」
湊也「初武雷管の修羅を目の前にきょどりすぎたせいか、“おにいさん”って呼んじゃったんですよ」
智生「…あらー、それは殺されかけるわ」


こいつに、と無視してグラスを傾ける晴臣を見ながら呟く。その呟きに打ちをした後、未だに騒ぐ俊二に「おい」とドスの効いた声をかけた。その声に、ピタリと身体を制止させる俊二。

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