羅刹の幻影は囁く part14

【VIBES】6 ページ36

2人の会話を聞いていた玲央が「付き合い長いか…」と呟く。


玲央「そういえば、2人の出会いって聞いた事無いかも…確か親父とも仲が良かったんだよね？」
『…まぁ、先代の紹介で依織さんと会ったんだけど』
依織「あん時のAちゃん、今以上のツンツンドライガールやったな」
『アンタが言うか』


『元は関西弁じゃねぇだろ』とぼやくA。
「じゃあ善兄も？」と紗月がきくと、あからさまにビクリと肩を揺らす善。



善「あ、あはは…そ、そうですね…ま、まぁ」

『善さんは私の事嫌いだったから、そんなに仲良くなかったな』

善「なななっ、Aさん！！！？」

依織「せやな。会うたびに目ぇ吊り上げて“なんでまだここにいるんですか！”って怒鳴ってたやん」

「「「えぇええ！？」」」

善「ちょっ、まっ…！！わ、若―！Aさん！！！！」



揶揄う様に笑う2人とは対照に、顔を真っ赤にしてジタバタとする善。
一方で過去を知らない若人3人は驚愕の声をあげた。



玲央「善兄、Aちゃんと仲悪かったの！？」
紗月「ぜ、全然そんな風にみえねー…」
北斎「どうして仲悪かったの？」
『んー、どうしてだろうなぁ〜私嫌われてたからわかんないわー』
善「いや、あれは…私が未熟者で、勝手に思い上がって…っっっ！！………す、すいません」


あわあわしながら言い訳を必死に並べるものの、プッシュ〜と頭から湯気が出る程顔を真っ赤に染め、蹲り小さく謝罪しだす善。そんな彼に耐えきれず大笑いする依織とA。
暫く笑った後、ポンッと善の肩を叩いた。

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