羅刹の幻影は囁く part14

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女子「夏準君だ！」
女子２「アンちゃんもアレン君もいる！」
女子３「こっち向いてー！」



ワラワラと集まる女子の群れをお構いなく、３人はショッピングモールの中を悠々と歩いている。相変わらず、買い物袋はアレンに持たせているようだ。

これは見つかったら面倒なことになるな。
殺意の視線も集まるし、回れ右して、気づかなかったふりを……



夏準「おや、どこへいくんですか？」



しようとした途端、にこやかな夏準がこちらへ向かってきた。
逃げ出そうとするも、速足で追いつかれ、ガシッと腕をつかまれる。あー、背中にヒシヒシと痛い視線が刺さるよ。



アン「Aじゃん！よくあうね！」
『ほーんとよく合うよね…。買い物か』
夏準「さっきまでね。これから近場のCLUBでライブです」
『それはご苦労な事で……って、アレンはどうしたんだ？』


いつもなら２人の後ら辺で声をかけてくるアレンだが、今日は後ろに下がって沈黙を貫いてる。しかも、なぜか紙袋で顔を隠して。


『……何してんの？本当に』
夏準「気にしない方がいいですよ、おバカが移りますから」
アレン「ど、どういう意味だよ！！」


夏準の言葉でようやく顔を上げたアレン。
よく見ると頬が少し赤い気がする。空調が暑くはないし、女の黄色い声援で照れるとか神経持ってないだろ、こいつ。

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