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【361】 ページ19

黒生地には、銀と金の双竜が交わる刺繍が施されている。店で見ていた時からあげるとしたらコレだと思っていたものだ。


『…そ、その店でいつも黒のバンダナ使っているから……。あ、で、でも飲食店だし、無地固定だったらとか、デザインが気に入らなかったら……』


つけなくてもいい、と言おうとしたけど、その前に今付けている黒いバンダナを外し、私があげたばかりのバンダナを頭に巻く。金銀の双竜の刺繡が照明に照らされ、キラキラとしている。

巻き終わり、私に目を向けた晴兄はいつもの優しい笑みを浮かべる。


晴臣「ありがとうな」
『…う、うん』



心がポカポカするような、高揚感が包み、顔を逸らしてしまう。
でも、これは確かに……喜んでくれると、嬉しいものだなぁ。


「大事にする」と言い、もう一度私の頭をなでる。
店の照明が、金と銀の双竜をきらめかせる。その金色の竜は、晴兄と私の瞳の色と同色だ。



晴臣「チャーシューと煮卵、サービスしてやるよ」


機嫌がよさそうに言い、調理を行う晴兄。
白髪の髪に黒のバンダナが映える。



……金色と銀色の双竜。
双竜の頭には王者の称号である王冠がデザインされている。



ああ、やっぱりそうだ。
アレを店で見た瞬間、渡すのはこれしかないと感じた。
本当に直感で購入してしまったけど、私のそれは当たっていた。




『…………やっぱり、それが一番だなと思ってた』


ポツリと呟いた私の言葉に、晴兄は顔だけ振り返る。



晴臣「当然だな」



当たり前のように断言する様子に、苦笑する。
あぁ、本当に……。


『やっぱり、1番だなぁ』




悔しいけど、その称号がピッタリな人だ。

【362】__晴臣SIDE→←【360】



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テルミヤコウジ(プロフ) - よもぎまるさん» お返事遅れてすいません!応援の言葉ありがとうございます! (2022年5月27日 1時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまる(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました!!更新楽しみにしてます、頑張ってください!! (2022年5月7日 15時) (レス) id: c35714e219 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - デクさん» ありがとうございます!更新が停滞しつつありますが、これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします! (2022年4月11日 21時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
デク(プロフ) - 面白すぎて一気に読み進めてしまいました!これからも更新頑張って下さい!続き楽しみです!(*^^*) (2022年4月5日 15時) (レス) @page30 id: 370cd2c91c (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - あーる'さん» ありがとうございます!そんな風にお言葉をかけて頂き、凄く嬉しいです!頻度は落ちていくかもしれませんが、これからも頑張って更新していきますのでよろしくお願い致します! (2022年3月27日 1時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2022年3月13日 22時

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