【360】 ページ18
晴臣「おい、どうした?具合悪いのか?」
全く動かない私を心配して、晴兄が再度声をかけてきた。
ええい、ままよ。思い立ったまま晴兄の名を呼び、彼の前に紙袋を突き付けた。
目をパチクリとした晴兄は紙袋と私を交互に見る。
晴臣「なんだこれ」
『………そ、その3月9日で』
晴臣「3月9日?なんかイベントがあったのか?」
『………か、感謝の日で…た、大したものじゃないけど』
やっぱり知らなかったかと思いながら、羞恥心から顔が否応なしに熱くなる。
「感謝の日…」と小さく呟いた晴兄は私と紙袋を交互に見つめる。
晴臣「…俺のか?」
『……うん。そ、その、日頃の感謝のつもりだから……………い、いらない?』
晴臣「いや、いる」
恐る恐る尋ねると即答でそう言い、紙袋が私の手から離れる。
「ありがとな」とポンと頭を撫でられ、紙袋の中から箱を……って待て、待て。
『い、今、あけるの?』
晴臣「駄目なのか?」
『…い、いや、ダメって訳じゃ』
晴臣「じゃあいいだろ」
『え、あ…ちょっ……………』
金色の瞳で見つめられる。
いつ見ても綺麗な瞳だ。私の片目もこんなに美しい色をしているのか不思議に思ってしまう。
ジッと見つめてくる晴兄に居たたまれなく、目線を逸らす。
だが、いく私が引いても今開けるんだろうなぁ。自分が決めた事に関して凄く頑固だから。
諦めの感情を早々見出し、唸りながらどうぞと言った。
了承を受けて晴兄はささっとリボンと包装紙をほどいていく。見るのが恥ずかしくて、いつもの席に腰を下ろし、視線を机に固定した。
晴臣「……これは、バンダナか?」
晴兄に買ったのは、那由汰たちが高いと言っていたバンダナだ。
2人と分かれた後、何となく気になったその店に入り、手にある黒い生地のバンダナを購入した。
132人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
テルミヤコウジ(プロフ) - よもぎまるさん» お返事遅れてすいません!応援の言葉ありがとうございます! (2022年5月27日 1時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまる(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました!!更新楽しみにしてます、頑張ってください!! (2022年5月7日 15時) (レス) id: c35714e219 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - デクさん» ありがとうございます!更新が停滞しつつありますが、これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします! (2022年4月11日 21時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
デク(プロフ) - 面白すぎて一気に読み進めてしまいました!これからも更新頑張って下さい!続き楽しみです!(*^^*) (2022年4月5日 15時) (レス) @page30 id: 370cd2c91c (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - あーる'さん» ありがとうございます!そんな風にお言葉をかけて頂き、凄く嬉しいです!頻度は落ちていくかもしれませんが、これからも頑張って更新していきますのでよろしくお願い致します! (2022年3月27日 1時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2022年3月13日 22時