羅刹の幻影は囁く part12

【Exhibition】34 ページ36

夏準「僕だけ仲間外れにするなんてひどいですよ。あ〜…悲しいなぁ」
アレン「それ、１ミリたりとも思ってないだろ」
夏準「やれやれお客様に随分な口を言う従業員ですね」
アン「アレン〜」


チームであるものの今は客と店員。立場が上なのは当然夏準だ。
それを理解しているのか何も言い返せない様子のアレン。それを良い事に「今夜は楽しませてもらいますよ」とご機嫌の夏準。これ、アレンがバイトしている間ずーっと来るとかないよな？


………やべっ、１週間位手伝うつもりだったけど断ろうかな。



夏準「しかし、まさかAまで働いているとは思いませんでしたよ」
『お手伝いと言ってほしいな。ずーっといるわけじゃない』
夏準「でもアレンの世話をしているという事は、教育係的なものに任命されたのでは？」


クソ、無駄に鋭い。IQの無駄遣い腹黒貴公子が。
……これ、バラしたのってまさか依織さんだろ。あの人のことだから「おもろそうやから」とかいう理由でバラしそうだし。



夏準「無言を貫くという事は、アタリなんですね。ますます楽しくなりました」
『何がだよ。てか、ドンペリ頼んでいい？あ、プラチナで』
夏準「勝手に頼まないでください」
アン「えー、頼んでよ〜僕の給料が上がるから！」
『ついでにCANDYの業績も上がるから』


「お断りします」と天女のような笑みで断られた。
クソ、金持ってんだからドンペリの100本位余裕だろ。シャンパンタワーが6つ位立てられる。そう思っていたら、「でも」と言葉を切られ、ジッと見つめられた。



夏準「貴方にだったら、貢いでも構いませんよ？」



うわー、いつかの誰かに言われた言葉だ。
もしかして、あの人とコイツってけっこー似てる？性格とか全然違うけども、腹黒とか探りいれるところ全く一緒だ。

【Exhibition】35→←【Exhibition】33

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す