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ASIDE
冷たい風が全身を包むような感覚に襲われる。
“あの人”からの連絡はいつも恐怖と緊張との隣り合わせ。
少しだけ間違った事を口にしたらという不安からいつも息が詰まる。
それがおかしくて嗤われた事もあるが、私としては笑いどころの話じゃなかった。
はやく、はやく、はやく、終わってくれ。電話がかかるたびに思っている。
『………っ。ご気分はいかがですか』
震えた口を抑えながら最初の労いの挨拶をかける。相手はククッと不気味な笑みのあと、〈問題ないよ〉と柔らかな声で告げる。声音を聞く限り、不機嫌ではなさそうだった。
？？〈Aも体調は大丈夫かな？以前の実験後は倒れたと聞いたけど〉
『……いえ、問題ありませんでした。1日立てば、回復しましたので』
？？〈それはよかったよ。可愛いAが苦しむ姿は、あまり見たくないからね〉
どの口が語っている。
間違ってもそんな言葉を吐き出せないから心の中で止める。私が苦しむ原因を作っているのは、いつも貴方なのに。
？？〈Paradox Live。今の所全チームが1勝1敗、面白くなって来たね〉
『…見立て通りではないんですか』
？？〈まさか。私にそんな能力はないよ。ただ、この4チームを選んだ私の見立ては間違っていなかったね〉
〈自画自賛になるけど〉と大らかな声音で告げる。
不気味なほど見立て通りだ。いやそれ以上の盛況ぶりかもしれない。だからこそ、この人は末恐ろしい。
？？〈そうだ。A、お願いがあるんだがいいかな？〉
『私が貴方の命令に背くわけないでしょう』
？？〈命令とは言葉が荒いな。お願いだよ〉
貴方いうお願いは命令…いや脅迫と同じだ。わかっていて楽しんでからかってる。私が何も言い返せないから。
？？〈今度、私の為に歌ってくれないかい？〉
『………私のですか』
？？〈“彼ら”と、と言ったら実現してくれるのかい？〉
ドクリと鼓動の音が大きく、速くなるのが感じ取れる。
この人は、この人は、この人が……お前が、私にそれを言うのか。
私の葛藤の何が面白いのか電話口でクスクスと笑い声が聞こえ〈冗談だよ〉と言う。
唇を噛み、拳を握り、スマホを投げ捨ててしまうのを必死にこらえた。
？？〈あの子がお前に教えた歌を聴きたいな〉
〈叶えてくれるかい？〉と問われる。
震える唇を必死に抑え、喉元まで出てる殺意を殺し、口を開いた。
『お望みなら、いつでも』
私の答えは、コレのみしかない。
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テルミヤコウジ(プロフ) - SOMAさん» ありがとうございます！！これからも更新を頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします！！ (2022年2月2日 14時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - 鈴零_さん» 嫌な言い方なんてしていませんよ！こちらこそ長文で長々と申し訳ありませんでした！読者の方にとって作品が読みやすくなっていたと知れて、とても光栄で嬉しいです！！これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします！！ (2022年2月2日 14時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» お返事遅くなりすいません！ありがとうございます！part13でもよろしくお願いします！！ (2022年2月2日 14時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
SOMA(プロフ) - 面白かったです。これからも応援します！ (2022年1月30日 15時) (レス) @page39 id: 4ad0b12df8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴零_(プロフ) - 返信が遅くなってしまってごめんなさい…。この作品が大好きなので、これからも応援させてください！！ (2022年1月28日 15時) (レス) id: eefe8e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2022年1月9日 22時
